電気炉および伝統製法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 06:49 UTC 版)
このほかにスクラップを主に用いる電気炉生産方式(電気炉製鋼法)がある。1900年にポール・エルーによって実用化されたもので、日本での生産割合は、転炉製鋼法が約75%、電気炉製鋼法が約25%である。高炉と転炉による鉄鉱石からの一貫製鋼にくらべ小規模な生産となるが、このために多品種少量生産に適している。 日本古来のたたら製鉄は明治時代以降近代製鉄に押されて急速に生産量を減らしていき、1925年にはすべての生産が終焉した。しかし日本刀の原料である玉鋼はたたら製鉄でしか製造できなかったため、1933年には「靖国たたら」が島根県に作られ、1945年まで操業したほか、数軒のたたらが復活し鉄の生産を行った。これらのうちいくつかでは従来に比べ鉧の生産割合が顕著に増加しており、鋼を重視した生産が行われたものの、終戦とともにふたたびたたらの火は消えた。第二次世界大戦後、玉鋼需要が逼迫したため、1977年には日立金属の支援によって日本美術刀剣保存協会が日刀保たたらを建設し、玉鋼の生産を行っている。ここで生産された玉鋼は指定された日本刀の刀工にのみ配布され、一般には流通しない。
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