雨と決勝の因縁
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「全国高等学校野球選手権大会に関するエピソード」の記事における「雨と決勝の因縁」の解説
1993年(第75回記念大会)2回戦、鹿児島商工(鹿児島)対堀越(西東京)の試合では、鹿児島商工が3-0と3点リードした8回表、突然の豪雨で球場全体が水浸しになり、2度目の24分間の中断後、降雨コールドゲームが適用されて鹿児島商工が堀越を下した。続く3回戦、鹿児島商工は常総学院(茨城)と対戦、鹿児島商工が4-0と4点リードしながらも4回表、前日に続く雨で今度は降雨ノーゲームとなってしまう。翌日の再試合ではなかなか点が取れず投手戦になり、7回表に1点を取った常総学院にそのまま1-0の僅差で敗れ、鹿児島商工は不運な敗戦で甲子園を去った。 翌1994年(第76回大会)で鹿児島商工は、学校名を樟南に変更して甲子園に戻ってくる。前年にノーゲームによる悔しい負け方をした樟南(鹿児島)は3回戦、双葉(福島)との試合で、3-1と樟南が2点リードで迎えた試合成立寸前の7回裏途中、降り続く雨で中断。又もノーゲームと思われたが1時間10分後に試合再開、結果樟南が4-1で下してそのまま決勝へ勝ち進むことになる。この年の決勝で対戦した佐賀商(佐賀)も、準々決勝の北海(南北海道)との試合中、5-0と佐賀商が先行していた4回表に、激しい雷雨により1時間33分間も中断となったが、6-3で佐賀商が逃げ切って勝利。 1994年夏選手権の佐賀商の優勝に貢献した当時のコーチは、奇しくも10年後、2004年の夏選手権で優勝した駒大苫小牧の香田誉士史監督である。さらに、1993年の夏選手権でノーゲーム再試合で運良く鹿児島商工に勝った常総学院は、同じく奇遇にも駒大苫小牧がノーゲーム再試合で悔しく敗れた、2003年の夏選手権で全国制覇を成し遂げている。 2003年(第85回記念大会)1回戦、倉敷工(岡山)対駒大苫小牧(南北海道)の試合では、駒大苫小牧が8-0と8点差の大量リードしながらも、4回裏途中台風接近による激しい雨が降り続き、降雨ノーゲームとなる。そして翌日の再試合では、前日と打って変わって倉敷工が試合を優位に進め、5-2で駒大苫小牧を下した。駒大苫小牧側では日付から「8・9の悲劇」と呼んでいる。 翌2004年(第86回大会)で甲子園に戻ってきた駒大苫小牧は、初戦の2回戦で佐世保実(長崎)を7-3で下し、北海道勢春夏50勝目の勝利を挙げた。その後も駒大苫小牧は日大三、横浜など強豪に勝ち続け、そして決勝戦では2004年春選抜大会で優勝の済美(愛媛)を13-10の乱打戦を制し、北海道勢として初の甲子園優勝を果たした。 2008年(第90回記念大会)1回戦では、大阪桐蔭(北大阪)対日田林工(大分)の試合で、大阪桐蔭が4-0とリードしながら、2回裏途中で雷雨によりノーゲームとなる。大阪桐蔭の部員数人は「再試合はリードしていた学校が敗れるケースが多いので、嫌な予感がよぎった」と語ったが、翌日の再試合も大阪桐蔭は前日の打撃好調を維持、16-2と日田林工に圧勝してノーゲームの不運を吹き飛ばした。大阪桐蔭はその後も勝ち進んで決勝戦に進出。そして決勝の大阪桐蔭は、常葉菊川(静岡)に17-0と圧倒的な大差を付けて、17年ぶり2回目の夏選手権での全国制覇を成し遂げた。
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