雨による減衰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 20:07 UTC 版)
「衛星インターネットアクセス」の記事における「雨による減衰」の解説
衛星通信において、ユーザーや地上アンテナと衛星の間の信号経路は湿気や雨、雪等の影響を受ける。この障害はrain fadeとして知られている。この効果は、周波数の低いL帯やC帯では目立たないが、Ku帯、Ka帯等の高周波数では無視できなくなる。衛星インターネットサービスでは、激しい雨の降る熱帯地方ではC帯を用いることが多い。Ka帯の衛星通信では、降雨時はrain margins、adaptive uplink power control、reduced bit rates等の特殊な技術が用いられる。 rain marginsは、湿気や雨のせいで信号が減衰したときのために余分な通信リンクを必要とするものであり、10GHzを超える周波数で運用する全てのシステムで重要になるものである。 サービスが不通になる時間の長さは、アンテナのサイズを大きくすることによって減らすことができる。 大きなrain marginsを確保し、衛星からの信号の電力量を下げて1ビット当たりのコストを削減するために、商業用には3.7mから13mの大きなアンテナが用いられている。衛星は通常太陽電池を用いているため、電力自体のコストはかからないが、より大きな太陽電池パネルや送信アンテナが必要となる。衛星の部品が大きくなることで材料費が上がるだけではなく、衛星の重量に比例して打上げの費用も上がる。 最近のDVB-S2規格は受信地域の雨の問題に応じて変調方式を変えることを意図している。これにより、全体の費用を下げながら晴れた条件でのビットレートを向上している。
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