開花・満開時期の地域差
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 01:40 UTC 版)
サクラは品種によって開花・満開時期が異なる。各地域でのサクラの開花予想日は、毎年2月から4月にかけて各民間気象会社から発表され、同じ日に開花予想された地域を結んだ線は桜前線と呼ばれる。この前線は各地のソメイヨシノ(クローン)の標本木を基準にしているため、気候や地形によっても開花の時期が前後する。ただし北海道では道南や札幌ではソメイヨシノを用いるが、それが育たない他の地域ではエゾヤマザクラ、さらに開花の遅い根室などではチシマザクラが用いられる。逆に開花の早い沖縄では標本木にカンヒザクラを用いる。緯度の違いや気候や品種の違いから、日本全国の開花時期は1月から5月までの長期にわたる。 気象庁では、サクラの開花日とは「標本木で5〜6輪以上の花が開いた状態となった最初の日」を指し、満開日とは「標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日」を指す。開花から満開までの間は、咲き具合によって「五分咲き」などと表現される。 このように花見の適期は地域によって異なる。年度末の3月が適期の地域では卒業式や送別会、年度初めの4月が適期の地域では、入学式や始業式、歓迎会などとのイメージと重なり合い、それらを祝う宴会として花見をする場合もある。 北海道では4月-5月の開花である蝦夷霞桜もみられる。秋の紅葉シーズンに「観楓会」と呼ばれる宴会が実施される習慣がある。 花見では食品・酒類が多く消費され、宿泊を伴って多数の観光客が訪れる「サクラの名所」もある。このため春には日本各地で、経済効果を期待して「サクラまつり」等の名称でイベントやキャンペーンが開かれる。例えば、青森県弘前市は弘前城でのサクラの満開が、関東地方でサクラの多くが散った後のゴールデンウイークの重なることが多いため花見目的の旅行先として人気が高い。近年は連休に合わせた「弘前桜さくらまつり」より満開が早まる傾向があり、サクラの樹の根元に雪を積み上げて連休に重なるよう開花・満開時期を遅らせる調整が試みられたこともある。 桜吹雪とは桜林やサクラ並木のある所で風などにより数多くの花弁が舞い散るさまであり、その美しさも愛でられる。全て散った後には葉桜と呼ばれる状態になる。
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