開花と結実
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 10:12 UTC 版)
蕾の形成は当年生の枝で行われる。ウィスコンシン州北部においては7月下旬から8月上旬に始まる。雄花の原基は7月上旬ないし中旬には形成されるが、雌花は8月まで形成されない。9月上旬までに雄花原基は約1 mmまで成長し、この大きさで冬を越す。春になると成長を再開し、花粉を飛ばす直前の5月中旬から6月上旬には約5 mmまで成長する。急激な成長は花粉の飛散とともに起きる。花粉の散布時期は天気に左右されるために年によって大きな変動がある。 受精は受粉の約13カ月後に起こる。これは球果が最大のサイズになるころである。本種は花粉を風に乗って飛ばす風媒花であり、普通は他個体の花と樹分をする(いわゆる他家受粉)。しかし25%以上、まれにもっと多い数の花が自家受粉してしまう。球果とその中の種が熟すのは受粉した翌年の成長期の終わりである。前述のように火災などの熱がない限り、この球果は開かず種子を散布することはない。球果は地上に落ちずに樹上に何年もとどまって、火災が発生するのを待つ。 樹皮の厚さは中程度でありそこそこの火災には耐えられる。 本種でとくに有名なのはその球果 (松かさ) の構造であり、強い熱を受けない限り開かないということが知られている。これは樹脂による接着のためで、50℃以上の強い熱に晒されると樹脂の接着がはがれて開く。このような条件になる典型的な例は火災である。しかしながら、低い枝に着く球果は気温が30℃程度で開くことも可能である。加えて気温が逆に-45℃以下に低下した時も球果は開く。これは球果を接着している樹脂の性質による。
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