開業の遅延
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 05:39 UTC 版)
「ニューヨーク市地下鉄7系統延伸事業」の記事における「開業の遅延」の解説
ブルームバーグ市長の記念乗車から間もなく、開業予定が2014年6月から初秋に延期され、さらに11月、2015年2月、2015年5月と次々延期されていった。これは駅に設置した2台の斜行エレベーターの問題であった。 MTA は2014年10月1日にニューヨーク・デイリーニューズ紙に対して、主契約社との間で2015年2月24日までに完工して開業可能な状態にできれば4,750万ドルのインセンティブを支払う契約を結んだと明らかにした。 しかし、わずか2か月半後には MTA は斜行エレベーターがうまく動かないため開業は2015年4月から7月頃になると発表した。また、保安アラームや火災報知システムの問題も遅れの原因だとされていた。2014年12月のニューヨーク・ポストの記事では、工期遅延はハドソン・ヤードの開発を行っていたリレイティッド・カンパニーズ(英語版)がちょうど新駅の真上で基礎工のケーソンを施工中であるためで、この基礎工が終わらないと新駅は開業できないとしていた。火災報知システムや保安アラームの問題は2015年3月になっても収束せず、開業は夏までずれ込むことになった。 斜行エレベーターはトンネルの掘削コストを抑えつつ、車椅子利用者がプラットホームに行き来しやすくなるように導入されたものであった。斜行エレベーターはイタリアのアッピアーノ・ジェンティーレにあるマスペロ・エレヴァトーリ(Maspero Elevatori)が製造し、制御機器はロングアイランドで、調速機はオハイオ州で、操作ボタン等はクイーンズ区で製作されていた。制御ソフトウェアはアメリカで製作され、エレベーター本体はイタリアで組み立てられたが、アメリカへの出荷前に組み合わせ試験が行えなかった。MTA は、マスペロ社が MTA の要求仕様が届いて内容を確認した後になってイタリア国内の協力メーカーに代わってアメリカの請負業者を使うことにしたためだとし、高度にカスタマイズしたことにより生じた問題を解決するためにマスペロ社と協働しているとした。2015年6月1日には MTA は延伸工事が「99%完了した」と発表した。この日、夏の開業に向けて7本の試運転列車が34丁目-ハドソン・ヤード駅まで運転された。ところが、6月15日には「第3四半期の終わり」まで延期となった。2015年7月20日には MTA が2015年9月13日の開業を計画しているとレポートされた。その後、開業日は2015年8月28日であることが確認された。結局、9月13日の午後1時頃に開業式のテープカットが行われた。
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