長尾山古墳の特徴とは? わかりやすく解説

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長尾山古墳の特徴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/24 03:38 UTC 版)

長尾山古墳」の記事における「長尾山古墳の特徴」の解説

長尾山古墳の特徴としてまず挙げられるのが、猪名川流域で最も古い時代築造された古墳であると考えられることである。猪名川流域には長尾山古墳と同じ長尾山丘陵万籟古墳猪名川東岸五月山丘陵池田茶臼山古墳同じく猪名川東岸豊中台地大石古墳小石古墳などといった前期古墳知られている。長尾山古墳築造年代を示す史料埴輪しかなく、埋葬施設副葬品内容年代推定することは不可能である。ただ、埋葬施設粘土槨であるということは一般的に粘土槨竪穴式石室から派生した考えられていることから、竪穴式石室備えた万籟古墳池田茶臼山古墳などとの築造時期前後関係について慎重に検討する必要がある長尾山古墳埋葬施設粘土槨は、出現古墳中でも古い古墳として知られる神戸市西求女塚古墳埋葬施設との類似性高く、このことから埋葬施設粘土槨であるからといって長尾山古墳万籟古墳池田茶臼山古墳よりも後出すると判断することは困難で、むしろ出土した埴輪形態や、埴輪形態的長尾山古墳とともに古いと考えられる池田茶臼山古墳が、副葬品新し要素見られることから、長尾山古墳猪名川流域で最も古い時代築造された可能性が高いと考えられている。 長尾山古墳墳丘全長41メートル小規模な前方後円墳ありながら全国的に見て十指に入る規模粘土槨埋葬施設とし、整った排水設備持ち、そして初期ヤマト王権中枢部で築造された古墳共通する二段築成、葺石埴輪備えた典型的な古墳であると評価することができる。このことは4世紀初頭猪名川流域最初首長墓である長尾山古墳被葬者は、初期ヤマト王権中枢部の埋葬儀礼取り入れていたことを示すものであり、ヤマト王権猪名川流域首長との連携4世紀初頭段階成立していたと考えられる猪名川流域初期ヤマト王権いち早く関係を結んだ長尾山古墳被葬者の後、古墳時代前期には同じ長尾山丘陵上に万籟古墳、そして五月山丘陵待兼山丘陵、そして豊中台地古墳築造された。しかし古墳時代中期に入ると、猪名川流域各地築造されてきた古墳のうち、丘陵地帯では築造止まり猪名川中流域豊中台地桜塚古墳群伊丹市南部から尼崎市にかけての伊丹台地猪名野古墳群盛んに古墳造営されるようになる。ところが6世紀に入ると今度桜塚古墳群猪名野古墳群急速に衰退し、再び長尾山丘陵上に勝福寺古墳築造されるなど丘陵地帯での古墳築造復活する猪名川流域の小地域ごとの古墳消長は、直接的に地域首長移動示していると考えられるが、ヤマト王権大王墓が奈良盆地から河内へ、そして河内から今城塚古墳築造された淀川水系へと移動する時期と、猪名川流域内の地域における古墳消長時期とが良い一致示していることから、地域首長移動背景には、ヤマト王権中枢部の権力交替が密接に関わっているのではないかとの仮説提唱されている。 2010年平成22年2月24日長尾山古墳宝塚市史跡指定された。

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