避妊について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 18:58 UTC 版)
中高生の妊娠には、避妊の正しい知識不足による失敗がある。言わゆる女性の生理周期の排卵日を避けて「安全日」を選んでする性行為も、男性が放出した精子は女性器内で最大5日生存するため、確実ではない。また月経中は妊娠しないという誤認があったり、膣外射精や炭酸飲料で膣を洗う対策は避妊ですらないということが伝わっていない場合がある。 緊急避妊薬OTC化に関する医師に対するアンケートでは、回答者の90%が処方経験がありその理由(複数回答)の95.5%がコンドームの脱落・破損だった。同意のない性交が36.1%、性暴力32.1%も含まれていた。この状況の背景には国連発表では日本の避妊の方法は男性用コンドームが75%で女性が使う経口避妊薬は6%にとどまり、経口避妊薬が31%である海外と比較し日本では男性が行う避妊方法に偏っていることが挙げられる。スウェーデンなど諸外国で普及している妊娠を防ぐホルモンが含まれたスティックを皮下に埋め込む「避妊インプラント」、腹部などに貼るシール状の「避妊パッチ」、膣内に挿入する避妊リング、避妊注射なども日本では承認されていない。 精子は射精時の精液だけでなく、前段階で分泌されるカウパー腺液中にも僅かに存在する場合があるため確率の高い避妊法とは言えず通常は避妊法としてカウントされない(PIは4-19程度)。また知識があったとしても、一般的な避妊方法に使用されるコンビニエンスストアでも購入できるコンドームによる避妊方法も万全ではなく、避妊失敗率は2%であり正しい使用方法でない場合を含めると18%とされ、一方でピルは0.3%とされる。 コンドームは「性感染症予防」、避妊のためにはより効果の高い方法を「併用する」ことが常識となっている。しかし口で性器に触れるオーラルセックスでは、双方の性器を保護しないと性感染症が防げない問題もある。 妊娠の不安については、市販されている99%の精度と言われる妊娠検査薬の存在への無知などがあり、様々な性にまつわる理解が不十分な状態が招いた問題となっている。 なお中絶可能週数は22週までで、中絶の同意書には配偶者の同意者が必要である。未婚者の場合でもパートナーの合意を求める病院があり男性も交際相手の女性の中絶同意書に署名する責任がある。しかしこの制度は性暴行の加害者にも同意を求めなくては手術を行うことができない現状に繋がっているため弁護士から批判を浴びている。
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