遺書のレコードとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 遺書のレコードの意味・解説 

遺書のレコード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 13:54 UTC 版)

塚本太郎」の記事における「遺書のレコード」の解説

塚本太郎は、「出陣学徒壮行会」の後、広告業仕事をしていた父のスタジオ東京銀座)で家族親戚に送る2分半のレコード収録したノートには「遺書」と記されている[要出典]。 父よ、母よ弟よ妹よ。そして永い育んでくれた町よ、学校よ、さようなら。 本当にありがとう。 こんな我儘なものを、よくもまあ本当にありがとう。 僕はもっと、もっと、いつまでもみんなと一緒に楽しく暮らしたいんだ。 愉快に勉 強し、みんなにうんと御恩返しをしなければならないんだ。春は春風が都の空に躍り、みんなと川辺遊んだっけ。夏は氏神様のお祭りだ。神 楽ばやしが溢れている。昔は懐かしいよ。秋になれば、お月見といってあの崖下 にすすきを取りにいったね。あそこで、転んだのは誰だったかしら。 降り出す とみんな大喜びで外へ出て雪合戦だ。昔はなつかしいなあ。こうやってみんなと愉快にいつまで暮らしたい喧嘩した争ったりしても心の 中ではいつでも手を握りあって。しかし僕はこんなにも幸福な家族一員である前に日本人であることを忘れてならないと思うんだ。日本人日本人自分の血の中には三千年の間受け継がれてきた先祖息吹き脈 打ってるんだ。鎧兜に身をかため、 君の馬前討死した武士の野辺路の彩った のと同じ、同じ匂い血潮流れているんだ。そして今、怨敵を撃つべしとの至尊の詔が下された十二月八日のあの瞬間から、 我々は、我々青年余生全て祖国捧ぐべき輝かしき名誉を担ったのだ。人生 二十年余生費やされるべき精力全てをこの決戦一瞬捧げよう怨敵撃攘せよ。親父の、お祖父さんの、曾お祖父さんの血が叫ぶ。血が叫ぶ。全て乗り越えてただ勝利へ、征くぞ、やるぞ。年長けし人々よ、 我等なき後の守りに、 大東亜建設に、白髪染め、齢を天に返 して健闘せられよ。又幼き者よ、我等の屍をふみ越え銃剣を閃かして進め日章 旗翻して前進せよ至尊御命令である、日本人気概だ。永遠に栄あれ祖国日本我等今ぞいかん、南の海に北の島に全てなげうって戦わん。 大東亜天地呼ん でいる。十億の民が希望の瞳で招いている。 みなさんさようなら。元気で征きます。 このレコード太郎の母ひそかに保管し、彼女の没後太郎の弟(塚本悠策)が遺品整理している際に発見された。太郎の母戦後東京で「太郎湯」という銭湯を営んだ。原盤再生繰り返して破損したが、コピー音声残されており、太郎アルバムとともに母校慶應義塾大学寄贈されている。

※この「遺書のレコード」の解説は、「塚本太郎」の解説の一部です。
「遺書のレコード」を含む「塚本太郎」の記事については、「塚本太郎」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「遺書のレコード」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「遺書のレコード」の関連用語

1
塚本太郎 百科事典
6% |||||

遺書のレコードのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



遺書のレコードのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの塚本太郎 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS