近年の事情
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 16:59 UTC 版)
「アルカリマンガン乾電池」の記事における「近年の事情」の解説
日本メーカー製のアルカリ乾電池はほぼマンガン乾電池の上位互換となっており、たいていの用途でマンガン乾電池よりも長寿命を発揮することができる。しかし、その時間は適した用途では5 - 10倍になるが、適さない用途では1.5 - 3倍程度にとどまる。 マンガン乾電池が適しているとされていた時計やリモコンでも、電波時計・音声認識など多機能な製品については、アルカリ乾電池を指定するものが出ている。 従来、アルカリ乾電池に対する短所であった自己放電は大きく改善した事もあり、非常用の備蓄に薦めるメーカーも多い。ただ、液漏れという弱点に関しては、まだ各メーカーとも発展途上の段階である。中には試験において液漏れ率0%を達成した富士通のリモコン用アルカリ電池など、本当に液漏れに強いアルカリ電池も出始めたが、多くはメーカーのアピールほど強くはなく、液漏れの問題は相変わらず克服できていないのが現状である。現在のところ、能力においてはリチウム乾電池などが圧倒的に優位であるが、コストパフォーマンスで圧倒的にアルカリ電池に有利な上、市場での流通量、一般消費者への認知度などから、一番容易かつ供給の不安のないものとなるとアルカリ電池とならざるを得ない。 また、大電流を要求する用途でアルカリ乾電池の電圧が大きく降下する段階になっても、エネルギー密度ではマンガン乾電池の半分程度を残している為、ミニ四駆やRCカー等のモーター機器で充分な性能が発揮できなくなった個体を、時計などに流用して使い切る方法もある。 20世紀末から00年代にかけて、アルカリ電池より少し高性能なニッケル系一次電池(位置づけとしてはリチウム電池とアルカリの間といえる)が開発され、当時普及中のデジカメを用途の主として広く市販された。しかしながら、初期電圧が少し高く内部抵抗が低い故その電圧が機器に直接かかる、電圧の降下曲線が異なるため残量検出で不具合の可能性がある、等の問題があった。一般の生産は短期間のうちに縮小、終了した。 現代は「アルカリ乾電池の低価格化」と「(消費電力が多く多機能のため)アルカリ乾電池使用を義務づける機器増加」によりマンガン乾電池の需要が減少傾向にあり、マンガン乾電池を販売しない店舗が急増している。
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