身近な人からの性加害・性被害の多さ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 18:58 UTC 版)
「性教育」の記事における「身近な人からの性加害・性被害の多さ」の解説
加害者は知人や親族など身近な人からのことが多い。実父に小学生時代から性虐待を受けていた女性は「家族がばらばらになる」とその被害を長期間打ち明けられなかったが、父親は避妊しない性行為すら虐待だと認識していないことが裁判で明らかにされている。 教師や塾講師など信頼する身近な大人から猥褻行為や性暴力を受ける事件もあり、被害者は自傷行為に陥ったり成長してからその意味を理解して深く傷つく場合がある。 2015年版『犯罪白書』によれば、摘発した性犯罪事件のうち、約3割は顔見知りによるものという。 特定非営利活動法人 性暴力救援センターの東京理事長の報告では、加害者の7割が顔見知りであった。性暴力では殺される恐怖で抵抗することができない被害者を見て、加害者が勝手に被害者が性交に同意したのだと思い込むことが多い。顔見知りでない場合でも地方から上京したばかりの女性が道を教えてくれと頼まれ、駐車場の車内などで被害にあうこともある。 2020年3月、北海道において特別支援学校を卒業した知的障害がある女性(31歳)は就労支援施設のトイレで出産し、乳児を便器に押し込み窒息死させた事件が起こった。女性は性教育を受ける機会もなく、また乳児の父は元施設職員の50歳男性でほとんど避妊をしない性行為を行っている一方、関係者も妊娠に気づかなかったと報道されている。 フランスではどのような相手でも体の大切な部分を触らせない教育の重要性を説いている。 また、人間における子供への性犯罪の前に加害者が子供の孤独や承認欲求につけこみ被害者との親密な関係性を築き、性犯罪に及ぶ準備の懐柔行為を示すことがある。教師などの身近な人物からや、グルーミングはツイッターやTikTokなどSNSを通じて行われることがある。2021年の性犯罪の刑法改正審議会では性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する、いわゆるグルーミング行為に係る罪を新設することについての審議が明記された。
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