起訴前弁護とは? わかりやすく解説

起訴前弁護

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:35 UTC 版)

みどり荘事件」の記事における「起訴前弁護」の解説

1981年昭和56年12月の輿掛の暴行事件弁護担当した古田邦夫弁護士は、その後も輿掛のことが気になっていた。暴行事件については、もともとは輿掛の勤務するホテル労働組合から依頼受けた事務所先輩弁護士都合で代わって対応しただけのものではあったが、みどり荘事件追及するための別件逮捕感じた古田弁護士は、違法捜査止めるためにとにかく輿掛を早く釈放させることを優先して1週間での釈放実現していた。その際に輿掛から、みどり荘事件について「やっていない」と聞いていただけに、輿掛逮捕報道接して別件とはいえ一度弁護をした者として会いに行くべきではないか」と考えていた。逮捕翌々日1982年昭和57年1月16日古田弁護士は、まだ本人からも家族からも依頼されていなかったが、「弁護人となろうとする者」として自白前の輿掛と面会した。そこでも再度「やっていない」という輿掛の言葉確認し金銭面から「うん」と言わない輿掛に、とりあえ弁護人選任届を書くだけ書かせて、その日面会終えた当時古田弁護士は登録2年目で、否認している輿掛の刑事弁護一人で担う自信はなかった。事務所相談したところ「外部弁護士組んだ方が良い」という結論になり、1月18日改め外部先輩弁護士とともに輿掛と接見した。しかし、その場で輿掛から出たのは、家族との面会引き換えに「たった今隣の部屋にいたと認めた」という言葉であった先輩弁護士に否認事件として協力依頼した手前もあって、古田弁護士接見短く切り上げ二人で弁護にあたるという話も立ち消えになった古田弁護士は、1月20日1月22日にも輿掛と接見したが、否認事件なくなった以上、家族経済的な負担考えて国選弁護にしたほうが良いではないか考え始めていた。 1月23日大分地方裁判所弁護士控室で、古田弁護士徳田靖之弁護士から声を掛けられた。徳田弁護士は、古田弁護士小・中高校8年先輩にあたり司法修習生時代から親しくしていた。みどり荘事件について聞かれ古田弁護士は、率直に国選弁護にすべきか悩んでいると答えた。しかし、徳田弁護士考え違った被疑者自閉症との報道もあり、事件経緯からは異常酩酊可能性もあるので、責任能力有無で争うことになる可能性もあり、起訴前の弁護活動続けるべきだ、というものであった。そして徳田弁護士は、自分一緒に弁護人になって良い、と申し出た。こうして二人1月25日に輿掛の長姉会って着手金受け取り正式に家族依頼による輿掛の弁護人となった。しかし、徳田弁護士起訴前に輿掛と接見したのは1月27日1月29日の2回だけだった前述通り、輿掛は1月30日から3月10日まで精神鑑定のために鑑定留置出された。これには、異常酩酊による心神喪失ないし心神耗弱推定していた弁護側としても異論はなかった。鑑定結果は「精神障害健忘存在しないであったが、3月10日接見した古田弁護士は、鑑定から戻った輿掛から驚くべき話を聞く。「注射をされて尋問された」というのである古田弁護士直ち徳田弁護士に相談して鑑定留置先で自白誘導剤が使われ可能性があり、その影響残っている状況下での取り調べ問題があるから至急留置場所を拘置所に移すように」と大分地裁上申した。これが認められ3月13日に輿掛は大分警察署内の留置場から拘置所移送された。

※この「起訴前弁護」の解説は、「みどり荘事件」の解説の一部です。
「起訴前弁護」を含む「みどり荘事件」の記事については、「みどり荘事件」の概要を参照ください。

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