起訴命令
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 08:51 UTC 版)
債権者が保全命令を取得したのに本案の訴えを提起しない場合には、保全命令を発した裁判所は、債務者の申立てにより、債権者に対し、一定の期間内に本案の訴えの提起を証する書面を提出するか、既に本案の訴えを提起している場合にはその係属を証する書面を提出するよう命じる(37条1項)。これを講学上「起訴命令」と呼ぶ。 債権者が、裁判所の指定した期間内に前述の各書面を提出しない場合(同条3項)または提起しても取り下げられもしくは却下された場合(同条4項)には、裁判所は、債務者の申立てにより、保全命令を取り消さなければならない(同条3項)。 債務者は、債権者による一方的な疎明により本案訴訟まで一定の権利制限を受けることになり、不安定な立場に置かれることになる。起訴命令の申立ては、債務者の側からこのような不都合・不安定な状況を打破する手段となるものである。
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