貿易と消費
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:49 UTC 版)
銅は鉄、アルミニウムに次いで世界で3番目に多く消費される金属であり、銅の世界貿易で年間およそ300億ドルが動く重要な貿易品目でもある。 国際銅協会(ICA)会長のアンソニー・リーは、世界の銅需要は2018年で2440万トンと推計。現在の需要の半分を占める中国の経済成長や、銅を多く使う電気自動車の普及などで、2050年には1億トン以上に増えるとの予測を2018年に示している。供給は、鉱山の新規開発などで対応できるとしている。 銅取引はロンドン金属取引所(英語版)(LME)、ニューヨーク・マーカンタイル取引所、上海金属取引所の3つの主要な国際市場がある。これらの市場で日々、銅相場や先物価格が決定される。銅の価格は歴史的に不安定であり、銅のキログラム単価は1999年6月の1.32USドルから2006年5月の8.27USドルまでおよそ5倍に上昇した。2004年の銅価格の高騰は中華人民共和国をはじめとした新興国の需要の増加によるものであり、電気インフラへのリスクが生じるような銅製品(特に銅ケーブル、電線)の盗難の波が世界中で引き起こされた。それは2007年2月に5.29USドルまで下落し、そして2007年4月に7.71USドルまで反発した。2009年2月には、前年の高値から一転して世界需要の後退と物価の急な下落によって3.32USドルまで下落した。 2010年代においても、銅相場は大消費国である中国の景気の先行きを反映しやすいことから、医師にたとえて「ドクター・カッパー」の異名を持つ。 2006年 銅消費量順位国製錬銅の消費量(万トン/年)1 欧州連合 432 2 中華人民共和国 367 3 アメリカ合衆国 213 4 日本 128 5 大韓民国 81 6 ロシア 68 7 中華民国 64 8 インド 44 9 ブラジル 34 10 メキシコ 30 出典: World Copper Factbook 2007 銅の主要な産出国では、銅鉱石および製錬銅の両方を輸出している。主な輸入国は先進工業国であり、日本、中華人民共和国、インド、大韓民国およびドイツでは鉱石として、アメリカ合衆国、ドイツ、中華人民共和国、イタリア、中華民国は製錬銅として輸入している。
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