言語学から見た已然形とは? わかりやすく解説

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言語学から見た已然形

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 10:27 UTC 版)

已然形」の記事における「言語学から見た已然形」の解説

形態論において語の変化しない部分語幹呼ばれ、それに付属することで語形変化もたらすとともに文法的意味を表すものを語尾と呼ぶ。これによると日本語動詞子音語幹動詞母音語幹動詞分けられる子音語幹動詞四段動詞ラ変動詞ナ変動詞のことをいい、ローマ字分析する変化しない語幹部分子音終わっている。一方母音語幹動詞一段動詞二段動詞である。文語において語幹母音母音交替起こして2通り語形をもっているが、現代口語において母音交替起こらず語幹一定である。 このように見ると、已然形とは、母音/e/で始まる語尾によって作られ語形であるといえる。つまり、子音語幹動詞には直接ついてエ段音を形成する一方母音語幹動詞に付く場合は、母音連続してしまうので、これを避けるために/r/が挿入される確定条件現代口語では仮定条件)を作るのは-(r)eba (ば)や -(r)edomo(ども)といった語尾があり、また係り結びにも-(r)eという語尾があると考えられる例えば、「書く」であれば、kak-eba と直接接続されるが、「食べる」(口語)は tabe-reba、「起く」(文語であれば、oku-rebaというように/r/が挿入されている。学校文法ではこのre部分までを含めて活用形としているのである。 また形容詞・形容動詞文語においてカリ活用ナリ活用と言われる活用をもつが、これは語幹語尾との間に-ar-(あり)が入るものをいっている(ただし、形容詞已然形のみ音変化して-er-となっている)。「あり」は単体では存在を表す語であるが、語尾として使われる指定措定文法機能果たしている。よってその活用子音語幹動詞「あり」と同じである。また現代口語形容動詞仮定形が「なら」になるのは、かつての仮定条件を表す語尾-abaを依然として用いていることによるのであるちなみに現代口語子音語幹動詞五段動詞)のみに「書けkak-e-ru」といったような可能動詞作られるが、これは語尾-e-によるものである。この語尾により可能動詞母音語幹動詞一段動詞)に変わっている。これに/r/を挿入して食べれる tabe-re-ru」というようになったのが、いわゆるら抜き言葉」であり、受身尊敬・可能・自発を表す語尾-(r)are-から見れば確かにら抜きと言えるが、これが語尾-e-から類推し作られたものだとすれば、実は「r入り言葉」なのである

※この「言語学から見た已然形」の解説は、「已然形」の解説の一部です。
「言語学から見た已然形」を含む「已然形」の記事については、「已然形」の概要を参照ください。

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