言語学から見た連体形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/25 06:36 UTC 版)
語形変化のある語において変化しない部分は語幹と呼ばれ、それに付属することで語形に変化をもたらし、文法的意味しかもたないものを語尾と呼ぶ。形態論により日本語の語形を音素レベルまで分解して考えると、動詞は子音語幹動詞と母音語幹動詞に分けられる。子音語幹動詞は四段動詞・ラ変動詞・ナ変動詞のことをいい、kak-anai、kak-imas-u、kak-u…のようにローマ字分析すると変化しない語幹部分は子音で終わっている。一方、母音語幹動詞は一段動詞・二段動詞である。ただし、現代口語において幹母音の母音交替はなく、語幹は一定であるが、文語において幹母音は母音交替を起こして2通りの語形をもっている。なおいわゆるサ変動詞・カ変動詞は不規則な変化をする不規則動詞である。 このように見る時、動詞の連体形は母音で始まる-uという語尾によって作られていると言える。これは子音語幹動詞には直接ついてウ段音を形成する一方、母音語幹動詞に付く場合は、母音が連続してしまうので、これを避けるために/r/が挿入される。例えば、口語において「書く」は kak-u となるが、「食べる」は tabe-ru というように r が挿入されている。文語においてはさらにruの前の幹母音が u に母音交換される。一方、形容詞は語幹に-iをつけることで連体形を表しているが、現代口語では語幹の k が脱落している。なお形容動詞は間に指定・措定の語尾として-ar-(あり)が挿入されているので、その活用は「あり」に従い「なる」となる。
※この「言語学から見た連体形」の解説は、「連体形」の解説の一部です。
「言語学から見た連体形」を含む「連体形」の記事については、「連体形」の概要を参照ください。
- 言語学から見た連体形のページへのリンク