観測可能な宇宙と全宇宙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 02:34 UTC 版)
「観測可能な宇宙」の記事における「観測可能な宇宙と全宇宙」の解説
科学者から観測された事実として頻繁に発表・公表される宇宙の具体的な観測値は、あくまで観測可能な宇宙に関するものに限られている。 だが現代宇宙論の構築、宇宙のインフレーションなどの信頼できる多くの理論の説明では、観測可能な宇宙の外側に広がる広大な宇宙を含む、より巨大な全宇宙に関する考察が必要になる。 『観測可能な宇宙の境界面が、全宇宙の物理的な境界面とぴったり一致することを示唆する証拠はない(そのような境界面があるとしての話だが)。両境界面が一致するということはまずないと考えてよい。もし一致するなら、地球が全宇宙のちょうど中心にあることになり、宇宙原理に反する。」確からしいのは、可視宇宙(観測可能な宇宙よりもさらに狭い領域)内にある銀河が、全宇宙の銀河のごくわずかしか表していないということである。[要出典]』[誰?] 全宇宙が観測可能な宇宙よりも「小さい」ということも、もちろん可能である。その場合、非常に遠くにあるように見える銀河が、実は近くにある銀河の光が宇宙を一周してくることによって生じた複製像だということもあり得る。この仮説を実験によってテストするのは、銀河の異なる像がその一生の異なる時代を指すこともあり、結果として全く違うということにもなりかねないため、困難である。2004年のある論文では、全宇宙の直径は、24ギガパーセク(780億光年)が下限であると主張されており、その場合、観測可能な宇宙より少しだけ小さいということになる。この値はWMAPの観測をマッチング・サークル分析したものに基づいている。 仮に観測不可能な宇宙を含めた全宇宙が有限で閉じているとしても、観測可能な宇宙の範囲内では、曲率は無視できるほど小さいことから、宇宙全体の大きさは、光年単位を用いても「兆」等の日常的な数の尺度、あるいは命数法レベルの数の尺度ではなく、指数での表現が必要な大きさ、それもA×10Bといった単純な仮数指数表記ではなく、指数の上に指数を重ねた指数タワーでの表現が必要な大きさである。レオナルド・サスキンドは宇宙の直径を 10 10 10 122 {\displaystyle 10^{10^{10^{122}}}} と推定している。この推定値はグーゴルプレックスプレックスより大きいが、この見積もりにおいて単位は一切考慮されていない。桁数が非常に大きいため、単位が「ヨタパーセク」でも「光年」でも「メートル」でも「プランク長」でも、もはや誤差以下の違いでしかないためである(巨大数の項目も参照)。具体的に説明すると、単位付与は値に対して定数倍の効果を持つが、1ヨタパーセクは1プランク長の1.9×1075倍であり、 10 10 10 122 {\displaystyle 10^{10^{10^{122}}}} の値のオーダーの前には桁数が少なすぎて、議論の本質に影響を及ぼすことがないということである。
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