製茶と等級
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/21 09:48 UTC 版)
祁門紅茶の製茶は全17の精巧な工程を経て作られ厳密な等級選別がなされる。製茶工程は次の3段階に分けられる。 原料茶葉の選別等級によって摘まれる時期、一芯一葉・一芯二葉などの生葉の比率が細かく定められていてこれにより品質の確保が保証される。 初製工程萎凋→揉捻→発酵→乾燥の4工程。ロータバンなどの揉切機は使わない。荒茶を作る工程。 この中の「発酵工程」は紅茶製造の核心的部分で、その実体は酵素の作用が促すポリフェノール化合物の酸化が主体である。酸化によりテアフラビン (TF)とテアルビジン (TR)を形成する。更に酸化が進むと褐色物質テアブラウニンに変化し品質は劣化する。TFとTRの含有量と両者の比率は紅茶の水色、香り、滋味に大きく影響し、紅茶品質に決定的な作用をもたらす。よって現場では発酵の「程度」に細心の注意を払う。 その次の「乾燥工程」は普通二回に分けて行う。 一次乾燥は「毛火」と言い、高温で速く乾燥することにより酵素の活性を破壊し発酵を止める。 二次乾燥は「足火」といい、「ゆるやかな火でゆっくり」行うことで茶葉の香りを十分に発揮させる。以上により荒茶が出来上がる。 精製工程上記の初製工程で作り上げた荒茶をさらに精製し商品茶とする。 大小・長短・太細・重軽などを分別する篩い工程を主とし、異物除去、水分除去、再火入れ、ブレンドなど全13工程、品質を高め、一層の細分化と均等化が求められる。 以上の非常に細かく念入りな工程を経て商品茶として完成する。このように時間と労力を十分にかけ丁寧に作る紅茶は一般に「工夫紅茶」と呼ばれ(工夫とは漢語で時間と手間をかける意味)19世紀初頭から福建省・江西省・湖北省などで創られ始めた。 祁門紅茶の等級は「祁紅正茶品質規格」と「祁紅荒茶品質規格」によって、各等級の外観・滋味・香気・水色などが細かく規定されている。工夫紅茶の高級3種、中級2種、低級2種の他、ブロークン、ファニング、ダスト、脚茶、梗茶、副茶などもそれぞれ等級が分けられる。さらにその後、特級、超級、礼茶の規格が定められた。またこれ以外に「完整芽葉茶」と呼ばれる祁門毛峰や、地元の研究所が開発した紅香螺がある。以上が祁門県が認める正式な祁門紅茶の等級である。
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