装弾の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 05:52 UTC 版)
SS90 通常弾 SS90は開発初期のプロトタイプである。これは弾芯にポリマーを使った弾体重量1.5gの軽量弾である。後にFive-seveN用に全長を短くし、精度、貫通力を改良したSS190の登場により廃盤となった。 SS190 通常弾 SS190フルメタルジャケット弾はボディーアーマーを貫通できる貫徹弾である。アルミ製の弾芯と鉄製の貫徹体をもつ。FN社によるとSS190は通常の拳銃弾に対して効果のあるレベルIIのボディーアーマーを貫通させることは可能であるが、5.56mm NATO弾を止めることができるレベルIIIのボディーアーマーを撃ち抜くことはできないという。各当局による、人間の肉体と同強度をもつゼラチンの塊に対しての発射実験でSS190は約25-32cmの弾頭浸透力があったという。又、跳弾による二次被害を防ぐために前述の二種の弾芯が比重の違いから空中回転を起こして急速に威力を減少させる様に設計されている。 L191 曳光弾 かつてはSS191と呼ばれていた。弾体後部に燃焼火薬が挿入されており、200m先まで燃え続ける。弾道特性は上記のSS190とほぼ同じものであり、弾頭には識別のため赤色のマーキングがされている。このSS191は民間人による所有が禁じられている。 SS192 ホローポイント弾 アルミ製弾芯のホローポイント弾であるが、弾頭には穴(ホロー)は開いていない。上述の通りFN社はSS192の開発を止めており、現在では後継のSS195LFが開発されている。 SB193 亜音速弾 かつてはSS193と呼ばれていた。弾頭は3.6gのシエラ・ゲームキング船形(Boat Tail)フルメタルジャケット弾を使用する。弾速が遅いため、サプレッサーを使用した場合、通常弾が発する甲高い銃声を抑えることができるほか、リコイルも通常弾より小さい。欠点は弾速が遅いため、射程距離が短く貫通力も低いという点である。識別のために弾頭は白色に塗られている。この弾丸も民間所有は禁じられている。 T194 教練弾 T194はSS192のプロトタイプである。殆ど外見はSS192と同様であるが、弾頭は緑色に塗られており、プライマーが銀色であるために区別がつく。弾体重量、初速ともにSS192と後述するSS195と同じである。このT194は2002年に製造が中止された。 SS195LF 非鉛弾 SS195LFはSS192と同様の弾道特性を示す弾であるが、プライマーと弾頭に鉛を使用していない。弾体重量は1.77gであり弾芯にはアルミが使用され、銅で覆われている。SS195LFはSS192と異なり、弾頭には穴(ホロー)が開いており、色も塗られていない。またプライマーが銀色をしている。この弾丸は民間人による所有が認められている。 SS196SR スポーツ弾薬 2.6gのホーナディー製V-Max弾頭を使用するSS196SRの特徴は、上述の通り先端がポリカーボネートでできており弾着と同時に弾が膨らむほか、弾頭が赤色に塗られている点である。現在では生産は中止されており、後継のSS197SRが発売されているが、アメリカの民間市場では売れ残っているSS196SRが今でも手に入る。 SS197SR スポーツ弾薬 イタリアの装弾メーカー、フィオッキはFNと契約してSS197SRを生産している。SS196SRの後継ではあるが、装薬量が多少多いため、SS196SRと比べて初速が若干向上している。弾頭は青色に塗られている。発売当初は青色と黒色の箱に詰められていたが、後に従来型の白色の箱に詰められて販売されるようになった。このSS197SRも民間人の所有が許可されている。 SS198LF 非鉛弾 SS195LFの装薬を増やしたもので、貫通力がSS190には及ばないものの若干向上している。この弾薬を所有することは違法ではないが、FNは社の方針として販売を軍及び法執行機関に制限している。弾頭は緑色に塗られている。 その他各弾薬メーカーによっても製造・販売は行われている。
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