装備状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 10:13 UTC 版)
主に戦闘機と超音速爆撃機が装備しており、旅客機では超音速輸送機のコンコルドとツポレフ Tu-144に留まる。 アフターバーナーは大量の燃料を消費するため、高推力が必要な時のみ使用される。爆撃機や旅客機の場合は離陸時と超音速飛行時に、戦闘機の場合はそれに加え、戦闘機動時にも用いられる。 F-15はミサイルなどの武装を一切搭載せずに巡航速度で飛行すれば数時間は飛行可能だが、アフターバーナーを全開にし続けると15 - 20分で燃料を使い切ってしまう。したがって通常このような装置が装備、使用されることはないが、この非効率的な補助装置は以下の条件時に使用される。 1. 機体の重量や設置空間に厳しい制限がある。 2. 高出力が要求される機会が限られているため、エンジンの定格を大きくすることが非合理になる。例えば、戦闘機で空中戦を行う場合である。 逆に、一定の出力で使用することを前提にしている商用の発電機や、民間の一般的な航空機では使用されない。軍用であっても船舶、車両での使用においては、クラッチの切り離しや減速歯車の使用で対応する余地があるため使用されない。 また、新しいジェットエンジンであるターボファンエンジンが旧来の純然たるターボジェットエンジンに比べると低速向けの特性になってしまったため、ターボファンエンジンを搭載した戦闘機は、遷音速~超音速飛行時においてアフターバーナー装置がほぼ必須になった。ターボファンエンジンは、ファンからの排気が燃焼に関与しないため、排気に含まれる酸素量が多くなる。そのため、アフターバーナーによる出力増大効果が大きい(しかし、一方でアフターバーナー作動時の燃料消費量もかさんでしまう)。出力増大効果が大きいということは、出力増減幅が大きいことを意味し、過酷な飛行状況や突発的な緊急事態への適応能力が高いと言えるため、高速度性能を要求されるはずの戦闘機にもターボファンエンジンが導入されている理由になっている。 最近ではジェットエンジンや機体の技術革新に伴い、ロッキード・マーティン社のF-22戦闘機が、ターボファンエンジン搭載ながらアフターバーナーなしでの超音速飛行を可能にした。 詳細は「スーパークルーズ」を参照
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