被害者遺族の会見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 16:39 UTC 版)
「東池袋自動車暴走死傷事故」の記事における「被害者遺族の会見」の解説
死亡した母娘2人の遺族である男性Cは、2019年4月24日に記者会見を開き、まず事故現場の献花台に溢れるほどの花を手向けた人、亡くなった2人に寄り添い心を痛めた人の温かい心に感謝を述べた後、「最愛の妻と娘を突然失い、ただ涙することしかできない」と絶望と苦しい心境を吐露した。2人の写真を公開した経緯については「今回の事故での(2人のような)被害者と私のような悲しむ遺族を今後絶対に出してはいけないとも思いました。そのために、私は(2人の)画像を公開することを決断しました」と説明した。 7月18日、遺族の男性Cが再度記者会見を開き、娘の動画を公開。「亡くなった愛する2人との日常がとても幸せでした。交通事故は誰かの日常や命を奪ってしまう」と強調した。更に「今後、被害者と遺族がいなくなるように、加害者(飯塚)には厳罰を望みます」と車を運転していた男性に対して厳罰を求める署名運動を始めたことを公表した。遺族の男性はブログを開設し、署名活動の詳細や署名用紙を掲載。また、8月3日には娘とよく遊んだという南池袋公園で署名を募った。8月30日にも会見を開き、厳罰を求める署名が29万筆を超えたこと、署名活動を9月中旬まで続けることが発表された。最終的には39万1,136筆の署名が集まり、それらの署名は同年9月20日に東京地検交通部へ提出された。 11月12日、飯塚が書類送検されたことを受け、遺族の男性Cが記者会見を開いた。その際に飯塚が一部報道のインタビューに応じ、「体力に自信はあったが、おごりもあった。安全な車を開発するようにメーカーの方に心がけて頂きたい。」などと車の性能の改善が必要だと主張したことに対し、「(あの限られた映像を見た感想を前提として)見た時は体が震え出し、怒りというよりはむなしくなってしまった。親族全員がつらく、中には憤りを感じる人もいた。この7カ月間、2人の死と2人がいなくなってしまった事を24時間ずっと向き合っている。私があのインタビューを見た限りでは、加害者は2人の死と向き合っているとは思えない。」と苦言を呈した。 2021年1月19日の第4回公判後、Cは飯塚への民事訴訟を提起したことを発表した上で、「今後は『関東交通犯罪遺族の会』(あいの会)の一員として、被害者参加制度を利用する犯罪被害者が、裁判に出廷する際などに特別休暇を取れるよう、厚生労働省にルール制定を求めたい」と表明し、同年2月には「あいの会」のメンバーとともに、厚労省に要望書を提出した。また、Cは飯塚(被告人)への厳罰適用だけでなく、同種事故の再発防止のための提言として、高齢者の免許返納を促進するための施策(高齢者が車に頼らなくても生活できる社会構造の整備)や、車の技術向上などの必要性も訴えている。
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