表記方法ごとの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 07:19 UTC 版)
上記のように複数の表記方法が混在するが、それぞれに長所と短所がある。 大日本帝国憲法時代から2007年(平成19年)現在まで、法令番号や公文書に用いる年号は国会・内閣・司法とも一貫して元号のみを使用し、西暦をほとんど使用しない慣例が続いている。また、改元の際には番号が初期化される(例:1989年には昭和64年政令第1号(元号を改める政令)と平成元年政令第1号(宮内庁組織令の一部を改正する政令)がそれぞれ別に存在する)ため、元号での表記が正確性の点では優勢にあるが、一方で元号が通用しない日本国外の事情を考えた場合の国際的な可読性の低下、元号の使用に否定的な姿勢を示す人々への強制性などの難点や批判があるといえる。 西暦に換算して表記することについては、国際的可読性の向上のほか、元号(及びその根源とも言える天皇制)について反対の姿勢をとる人・団体にとって、元号の使用を回避することができる利点がある。ただし、法令の原本や官報にある公的記載(元号)を西暦に変えて表記することの正確性・妥当性はどうなのか、あるいは、前述の改元前後の同一法令番号に月日を付さない場合、「1989年政令第1号」のようにが2つ存在してしまう(たまたま題名が異なったが、同一の題名の場合どちらを指すか不明確となる)というような難点もある。 法令番号は暦年による管理のため、「昭和22年法律第5号」のように「その年初から何番目か」が直接的に認識しやすい(月日なしの)表記が、正確性の面では優勢にある。「昭和22年1月16日法律第5号」のように月日を挿入した場合は、理論上は昭和22年の5番目の法律という解釈以外にも「昭和22年1月16日0時から24時までに公布された法律の中の5番目」という誤った認識を招く可能性がないとはいえず、正確性の面でやや劣る。 一方、法令番号に公布日(=官報等への掲載日)を挿入することで、官報等に掲載された法令の原文を検索・参照することが容易となり、実務者にとって有益である。他にも、当該法令が何内閣のときに公布されたかなど時代背景の理解等の利便性に資する面がある。
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