表記法およびシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 03:00 UTC 版)
この計算には,量化された変数という概念が初めて導入され,また,高度に特異的な2次元表記法で表示されているとはいえ,同一性を持った本質的に古典的な2値の二階論理である:結合子と限量子は,今日使用される¬,∧,∀ではなく,式をつなぐ線を用いて書かれる。たとえば,Bという判断に材料として判断Aが含まれること(実質含意),すなわち B → A {\displaystyle B\rightarrow A} は,と書かれる。 第1章でフレーゲは,命題(「判断」),全称量化子(「一般性」),条件法,否定,内容の相等性のための記号 ≡ {\displaystyle \equiv } のような基本的アイデアと表記法を定義する。 基本概念フレーゲの表記法現代的表記法判断 ⊢ A , ⊩ A {\displaystyle \vdash A,\Vdash A} p(A)=1p(A)=i 否定 ¬ A ; ∼ A {\displaystyle \lnot A;\sim A} 条件法(含意) B → A {\displaystyle B\rightarrow A} B ⊃ A {\displaystyle B\supset A} 全称量化 ∀ x : F ( x ) {\displaystyle \forall x:F(x)} 存在量化 ∃ x : F ( x ) {\displaystyle \exists x:F(x)} 内容の相等性(等号) A≡B A=B 第1章§5では,フレーゲは条件法を次のように定義する。「AとBが,判断可能な内容を意味するとき,次のような4つの可能性がある。 (1) Aが肯定され,かつ,Bが肯定される, (2) Aが肯定され,かつ,Bが否定される, (3) Aが否定され,かつ,Bが肯定される, (4) Aが否定され,かつ,Bが否定される。 はこれらの可能性のうちで3番目のことは起こらず,他の3つのうちの1つが起こるという判断を意味する。すなわち,我々が を否定するということは,3番目の可能性が妥当であることを意味する,すなわち我々はAを否定し,かつ,Bを肯定する。」
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