自動車とファッション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 03:18 UTC 版)
自動車はファッションと密接な関係がある。 自動車は、本質的には馬車から派生した移動手段の道具であるが、その長い歴史の中で他の様々な文化、事物からモチーフを得ながら独自に発展していった。それは貴族文化やダンディズム、サブカルチャー、或いは航空機、船舶など実に様々である。これらは現代においても、乗車する際に身につけるアクセサリーなどにその名残として残されている場合がある。また逆に自動車が服飾品に影響を与えることもあり、腕時計は特に著名な例である。加えて、自動車のエクステリアが女性のファッションに例えられることもあり、イベントコンパニオンはその代表例として挙げられる。 ファッション雑誌などでは自動車を広告塔として利用する例がある。ファッションデザイナーで知られるラルフ・ローレンは、2017年に、自宅ガレージにて自身のカーコレクションを用いたファッションショーを開催している。また自動車ブランドと服飾ブランドが共同で作品を製作することがあり、モーターショーなどで披露されている。運転の際に使用されるドライビンググローブやドライビングシューズなどについても、ヨーロッパ各国の服飾ブランドで数多く販売されている。またポルシェが「ポルシェデザイン」と称する服飾ブランドを個別に展開、或いはフェラーリやベントレーが香水をプロデュースするなど、自動車ブランドが服飾部門を別途に立ち上げることもある。イタリアのピニンファリーナや日本のKEN OKUYAMA DESIGNといったカロッツェリアは、自動車のデザインから建築や家具、眼鏡、化粧品に至るまで、様々な分野のプロダクトデザインを手掛けている。 スイス高級時計で知られるショパールは、1988年からミッレミリアの公式スポンサーとなり、毎年リミテッドモデルをリリースしている。同社社長のカール・フリードリヒ・ショイフレは、”上質な車の愛好家は得てして上質なタイムピースを好みます。その逆もまた然り。どちらにおいても、最高の精度とスポーティなエレガンスが最も大切な要素であるからです”と述べる。同じくスイス高級時計のタグ・ホイヤーは、古くからレーシングスピリッツを重視していたが、1971年にスクーデリア・フェラーリとパートナーシップを結び、そして同年のレース映画『栄光のル・マン』の制作中にスティーブ・マックイーンが同社モデル「モナコ」を着用したことで、自動車業界の一躍人気時計ブランドとなる。また上記でも述べたラルフ・ローレンは、”Art Deco Automobiles”時代の名車ブガッティ・タイプ57SCアトランティックをコンセプトにした腕時計を製作している。他にも、数多くの高級腕時計メーカーが自動車との関わりを持っている。 ジャケットとドライビンググローブ パイロットゴーグル・パイロットキャップにレザージャケットを着用したドライバー/コ・ドライバー ショパール「ミッレミリア2018」 タグ・ホイヤー「モナコ/40周年記念復刻モデル」
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