給付付き税額控除
別名:給付つき税額控除
社会保障給付と税額控除を一体化にした仕組みのこと。
給付付き税額控除は、経済学者のミルトン・フリードマンの「負の所得税」がモデルになっている。
給付付き税額控除は、所得税の納税者には税額控除をして、所得が低く控除しきれない人には現金を給付するというものである。
給付付き税額控除は、アメリカ合衆国をはじめ、イギリス、フランス、オランダなどの国々が導入している。日本においては、政府民主党が2009年に「平成22年度税制改正大綱~納税者主権の確立へ向けて~」の中で、所得控除から給付付き税額控除への転換を推進すると記している。そして、2011年12月には財務省が、給付付き税額控除を導入した際の必要額を試算するなど、給付付き税額控除導入に向けての準備が進められている。
関連サイト:
平成22年度税制改正大綱~納税者主権の確立へ向けて~ - 首相官邸(PDF)
きゅうふつき‐ぜいがくこうじょ〔キフフつきゼイガクコウヂヨ〕【給付付(き)税額控除】
給付付き税額控除
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/08 22:49 UTC 版)
給付付き税額控除(きゅうふつきぜいがくこうじょ, Refundable Tax credit[1])とは、負の所得税のアイディアを元にした個人所得税の税額控除制度であり、税額控除で控除しきれなかった残りの枠の一定割合を現金にて支給するというもの。ミルトン・フリードマンの「負の所得税」を応用したものである[2]。単なる控除としては保険料の様な租税以外のものも存在する。
- ^ a b c d e “What Is a Refundable Tax Credit?”. USニューズ&ワールド・レポート. (2019年5月9日)
- ^ “経済学史の窓から 第10回(最終回) 未来の経済学はどうなるか?”. 書斎の窓. 有斐閣. 2014年9月10日閲覧。
- ^ 低所得層向けの複数の給付制度(所得調査制求職者手当、所得連動制雇用・生活補助手当、所得補助、住宅給付、勤労者タックスクレジット、児童税額控除)を統合、簡素化し、就労所得の変化に応じた給付額の調整を従来より緩やかにするなど、就労へのインセンティブを高めることが意図されていた。2013年から一部自治体で試行的に導入が開始されていた。
- ^ “Universal Credit rollout hit with further delay at a cost of £500m(ユニバーサルクレジット 50億ポンドの導入コストでさらに遅延)” (英語). Sky News. 2020年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月22日閲覧。
- ^ 独立行政法人労働政策研究・研修機構 (2018年3月). “低賃金労働からの脱出は6人に1人―諮問機関報告書”. 2019年8月2日閲覧。
- ^ 独立行政法人労働政策研究・研修機構 (2016年9月). “活動手当制度の創設による若年低賃金労働者の支援”. 2019年8月2日閲覧。
- ^ Employment and Social Development Canada(カナダ雇用・社会開発省) (2019年4月4日). “The Canada Workers Benefit is putting more money in the pockets of those working hard to join the middle class (カナダ勤労給付は、人々を中流階級へと引き上げ、一生懸命働いている人達の所得をより多くします。)”. Cision Canada. 2019年8月2日閲覧。
- ^ Canada Workers Benefit 2019(カナダ勤労給付 2019) (YouTube). Employment and Social Development Canada (カナダ雇用・社会開発省). 16 January 2019.
- ^ "与党「令和3年度税制改正大綱」に対する談話" (Press release). 日本労働組合総連合会. 10 December 2020.
3.マイナンバー制度を活用した「給付付き税額控除」の導入を
- ^ “税と社会保障の抜本改革調査会「中間整理」” (PDF). 民主党 (2010年12月6日). 2015年10月17日閲覧。
- ^ “「社会保障と税の抜本改革調査会」の報告を了承”. 民主党 (2011年5月30日). 2015年10月17日閲覧。
- ^ “社会保障・税一体改革素案” (PDF). 2012年1月6日 政府・与党社会保障改革本部決定. 内閣官房. 2015年10月17日閲覧。
- ^ “社会保障・税一体改革素案における給付付き税額控除制度に関する質問に対する答弁書”. 参議院第180回国会(常会)答弁書第一三号 内閣参質一八〇第一三号 2012年2月14日 内閣総理大臣野田佳彦. 参議院. 2015年10月17日閲覧。
- ^ “社会保障・税一体改革大綱について” (PDF). 2012年2月17日 閣議. 内閣官房. 2015年10月17日閲覧。
- ^ “社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律 抄”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2015年10月17日閲覧。
- ^ “第1回社会保障制度改革国民会議議事録” (PDF). 2012年11月30日 社会保障制度改革国民会議. 首相官邸. 2015年10月17日閲覧。
- ^ 事務局長 南雲弘行 (27 May 2013). "「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の成立に対する談話" (Press release). 日本労働組合総連合会. 2013年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ “社会保障制度改革国民会議報告書〜確かな社会保障を将来世代に伝えるための道筋〜” (PDF). 2013年8月6日 社会保障制度改革国民会議. 首相官邸. 2015年10月17日閲覧。
- ^ “社会保障制度改革推進法第4条の規定に基づく「法制上の措置」の骨子について” (PDF). 2013年8月21日 閣議決定. 内閣官房. 2015年10月17日閲覧。
- ^ “主要政策”. 結いの党. 2014年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月23日閲覧。
- ^ “基本方針”. 2014年12月24日 閣議決定. 首相官邸. 2015年10月17日閲覧。
- ^ “法律案等審査経過概要 第189回国会 格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案(古川元久君外3名提出、衆法第4号)”. 衆議院. 2015年10月17日閲覧。
- 1 給付付き税額控除とは
- 2 給付付き税額控除の概要
- 3 各国の給付付き税額控除
- 4 脚注
給付付き税額控除
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 19:00 UTC 版)
「ベーシックインカム」の記事における「給付付き税額控除」の解説
低所得者に税の還付をする制度。負の所得税から派生した所得再分配政策とも言える。給付付き税額控除は、負の所得税と違い、勤労所得がゼロの場合、全く金銭を得ることが出来ない。もう一つの違いは給付付き税額控除は、所得ゼロの状態から勤労収入を得た場合に、ある程度まで、手取り額が負の所得税に比べ大きく増えていく点である。米国においてEITC(Earned Income Tax Credit)という名称で実施されている。また、EITCという制度は25 歳以上 65 歳未満の勤労者を対象とし、就労のインセンティブを促進するため、勤労所得の増加に合わせて税額控除が逓増する部分を設定し賃金を補助する仕組みである。例えば、子供が2人の勤労者の場合、所得$12,570までは所得が1ドル増えるごとに0.4ドル税額控除額が増加する。その後、税額控除額は所得$16,420まで一定額$5,028で、それ以上の収入に対しては、収入1ドルの上昇につき 0.21ドルだけ税額控除が減少し、収入が $40,295 になった時点で税額控除はゼロになるという算出方法である。低所得の人々に優しく、実現が現実的な制度とも言える。
※この「給付付き税額控除」の解説は、「ベーシックインカム」の解説の一部です。
「給付付き税額控除」を含む「ベーシックインカム」の記事については、「ベーシックインカム」の概要を参照ください。
- 給付付(き)税額控除のページへのリンク