経営破綻と差押え
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 17:02 UTC 版)
「ウイングベイ小樽」の記事における「経営破綻と差押え」の解説
2001年(平成13年)、マイカルの経営破綻に連鎖して小樽ベイシティ開発も民事再生法を申請した。同年10月に民事再生手続開始の決定を受けた。負債総額は約492億円であった。 2003年(平成15年)に施設名を「ウイングベイ小樽」と改称して再スタートした。しかし多額の固定資産税滞納が続いたことから、2003年9月に小樽市はウイングベイ小樽の土地を差押えた。また同年には、市がマイカル小樽と合わせて誘致したホテル「ヒルトン小樽」も経営破綻し民事再生法を申請している。 ポスフール(旧:マイカル北海道)は日本政策投資銀行が持っていた債権133億円を譲受し、旧・マイカル北海道が持っていた61億円を合わせた別除権の付いた債権約194億円を所有した。小樽ベイシティ開発の民事再生計画案では、認可決定確定後1年以内かつ一般再生債権に対する支払前に別除権協定を締結するとしていたものの、予定時期までに協定を締結できず、2005年(平成17年)に民事再生手続は協定未定のまま終結された。 2007年(平成19年)8月10日、小樽ベイシティ開発は債権を減免するため、ポスフール(現:イオン北海道)に対する特定調停の申立てを札幌地方裁判所に起こし、この特定調停により小樽市は同年9月に差押えをいったん解除した。翌2008年(平成20年)、別除権付債権の取扱いについて評価額など約29億円を一括弁済することで中間合意していた。しかし、経営再建のスポンサーに名乗り出ていた北武グループとの交渉が難航したため、弁済期限の延長を申し入れていた。 その後、北武グループは経営再建から撤退し、イオン北海道など他の債権者との合意に至らなかったため、2009年(平成21年)に特定調停は取り下げられた。これによりイオン北海道は21億円の赤字となり、その後に2回目の特定調停が成立した後、2012年(平成24年)10月からはイオン北海道がイオン小樽店の賃料を支払わない措置などを取った。 2017年(平成29年)2月10日、小樽市は特定調停の申立てにより解除していたウイングベイ小樽の土地を再び差押えた。同年には企業再生ファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)のルネッサンスキャピタルがイオン北海道が保有する債権を買い取って小樽ベイシティ開発のスポンサーとなり、債務圧縮を目的とする2度目の民事再生法適用を申請した(負債総額は約280億円)。今後は、ルネッサンスキャピタルによって再建を進める。 「ウイングベイ小樽」は事実上の破綻状態で営業を継続しており、商業施設の売上も1999年(平成11年)開業時の320億円から、2006年(平成18年)には180億円まで減少した。そのためテナントの撤退が相次いで空きフロアが増加し、4階両サイドのフロアは空で「改装中」となっており、デッドモール化する懸念もある。差押えをされても店舗の営業は続けられるが、市が差押えた不動産を公売にかけて売却し、滞納した固定資産税に充てることも可能となる。
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