組織の内部構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 14:44 UTC 版)
「アーリアン・ブラザーフッド」の記事における「組織の内部構造」の解説
組織構成は、2つのメイングループに分かれており、1つは連邦刑務所システムに存在し、もう1つは各州刑務所内で多くの党派を編成している。特にカリフォルニアにおいては大小様々な党派が緩やかな連合を形成している。各党派は3人のリーダーによって監督されており、彼らが刑務所内において犯罪活動を指揮を行っているとされている。連邦刑務所やカリフォルニア州の各党派は、州立刑務所にいるギャング達、例えば自分達を模倣しているグループや組織から分裂したグループの存在については大目に見ている傾向があるが、しかし、刑務所内でのギャング同士の衝突が発生しないわけでは無く、しばしば抗争が発生している。 アーリアン・ブラザーフッドは各刑務所によって、その組織形態が異なっており、例えばアリゾナの刑務所ではメンバーは「親族(Kindred)」と呼ばれ、彼らによって一つのファミリーが形成されており、各ファミリーは「評議会(Council)」と呼ばれる上部組織によってコントロールされている。組織のメンバーは刑務所内において「子孫(progeny)」と呼ばれる新たなメンバーをスカウトし、彼ら新入りメンバーを一人前の組織の一員となれるよう、その教育も担当している。 組織の構成民族ついては、それほど排他的なものでは無いが、ほぼ白人男性の収監者らによって構成されている。また、組織には「ブラッドイン・ブラッドアウト」と呼ばれる掟が存在し、アーリアン・ブラザーフッドの一員と認められるには他の囚人を殺害することが条件であり、また、一度組織のメンバーとなると、抜けることは許されず、抜けようとする者は他のメンバーによって殺害されることになっている。 多くのプリズン・ギャングと同様にアーリアン・ブラザーフッドのメンバーも特徴的なデザインのタトゥーを入れている。主なものとしては組織名の「Aryan Brotherhood」、そのイニシャルの「AB」、獣の数字として知られている「666」、ナチス親衛隊のシンボルである「SS」、そして肘の近くには蜘蛛の巣、組織がアイルランド系アメリカ人のグループにより結成された事を示すシャムロックの紋章、そしてハーケンクロイツやケルトの紋章などがある。 アーリアン・ブラザーフッドは、結成されて以降、特に麻薬密売をメインに、恐喝、売春そして殺人の請負などの典型的な組織犯罪活動に傾注していくようになっていった。近年、連邦政府によって行われた告発によれば、組織はアジアのギャングと手を結びタイからヘロインの密輸を行っていた。中にはブラッズ、ブラック・P・ストーンズといった黒人ギャングから麻薬を買い付けるメンバーもいたという。 1996年、当時イリノイ州にあるマリオン連邦刑務所に収監されていたガンビーノ・ファミリーのボス、ジョン・ゴッティが同刑務所内において他の囚人から暴行を受け、彼は50万ドルの金と引き換えにその囚人を殺害してほしいと組織のメンバーに依頼していた。しかし、この依頼は成就することなく、ゴッティも2002年に病死した。 アーリアン・ブラザーフッドのメンバーの大多数は、強盗や麻薬取引そして暴力行為等によって服役することになった者達であり、人種差別的な犯罪行為によって服役することになったのでは無い。また、彼らは刑務所内での自己防衛の為に仲間と保護を求め、組織に加わっている。しかし、彼らは刑務所から釈放された後も、組織の為の活動を行っており、さらにギャングとなって、ヘイトクライムを引き起こしていることが知られている。FBIによると組織のメンバーは合衆国の刑務所に服役している服役囚の割合でみると1%未満だが、連邦刑務所内で発生した殺人の26%に関与しているとされている。
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