米国での法整備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:59 UTC 版)
「クローズドキャプション」の記事における「米国での法整備」の解説
1990年のテレビデコーダ回路法案(Television Decoder Circuitry Act)が可決されるまで、テレビのキャプションは三洋電機が製造して米国立キャプション研究所が販売するセットトップボックスにより変換表示されていた(当時この機器は約200ドルでテレビと同等の価格だった)。製造側との討議を通じて、単体の箱よりもテレビに適切な回路を組み込むほうが安価になるであろうことが確約され、当時三洋の従業員だったロナルド・メイが三洋とギャロデット大学の代表者として専門家証人の証言を出し、法案の可決を後押しした。1991年1月23日にこの法案が議会で可決され、連邦通信委員会(FCC)にクローズドキャプションの実装に関する規則を制定する権限を与えた。この法律は、1993年7月1日までに販売・製造された13インチ以上の画面を持つ全てのアナログテレビ受信機にクローズドキャプションの表示機能を備えるよう義務付けるものだった。 また1990年に、障害を持つアメリカ人法(ADA)が可決されて障害者の平等な機会が保証された。ADAは公共の場や商業施設での障害者差別を禁止しており、同法の第3編が病院、バー、ショッピングセンター、博物館といった公共施設(映画館は除く)のテレビ、映画、スライドショーに発話情報を表示することを義務付けている。 FCCは、英語やスペイン語の音声がある素材のキャプションを番組の発信側全員(委員会規則79.1(d)の特殊例外を除く)に義務付けている。なお、経営の厳しい事業者は先の例外に漏れていても免除申請をすることができる。 1996年の電気通信法 (Telecommunications Act of 1996) は90年のデコーダ回路法を拡張したもので、2002年7月1日までにデジタルテレビ受信機にも同様の要件を課した。2010年1月1日時点で、米国のあらゆるテレビ番組配信業者にはビデオ番組にスペイン語のクローズドキャプションを提供することが義務付けられている。 21世紀の通信とビデオアクセシビリティ法 (Twenty-First Century Communications and Video Accessibility Act of 2010) が2010年7月に米国国下院で可決された。同じ名前の類似法案S.3304が同年8月5日に米国上院で、9月28日に下院で可決され、10月8日に発効された。この法律はATSC方式のセットトップボックスリモコンにクローズドキャプションの出力オン・オフ切り替えボタンを一部義務化している。また同法は、インターネット上で再配信されるテレビ番組にもキャプションを提供するよう放送局に義務付けている。 2014年2月20日、FCCはクローズドキャプションの精度、タイミング、漏れのなさ、配置に関する品質基準の導入を満場一致で承認した。
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