第1期複線化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 00:33 UTC 版)
1994年12月に、京都府の公共交通網整備研究会鉄道部会は奈良線の活性化策として、高速化・複線化のほか、宇治駅 - 新田駅間に新駅設置や宇治駅の自由通路を設けた橋上化などの改良などが盛り込まれた提言を知事に答申し、これを受けた京都府はJR西日本などの関係機関との協議を開始した。折しも2002 FIFAワールドカップに向けて、城陽市富野地区でサッカースタジアム(京都スタジアム)を中心とする木津川右岸スタジアム公園建設の基本計画も決定しており、奈良線の利便性の向上は大きく望まれていた。 1994年8月に「JR小倉駅(仮称)建設促進協議会」が発足し、また複線化については京都市・宇治市・城陽市・奈良市・井手町・山城町(現在の木津川市の一部)・木津町(現在の木津川市の一部)・宇治田原町でつくるJR奈良線複線化促進協議会も9万人の署名を添えてJR西日本に要望書を提出し、その早期着手を強く要請してきた。 しかし、1995年に発生した阪神・淡路大震災によりJR西日本も大きな被害を受け、また株式上場を控えており奈良線の輸送改善について心配されていたが、JR西日本は京都府の要望通り段階的に整備を行うと回答し、整備計画は全区間の複線化を将来の目標としながらも次の4期に分けて工事を進めることになり、2001年の完成を目指して1998年1月に着工を開始した。工事費は162.6億円で、JR西日本と沿線自治体で折半した。 第1期整備工事:京都駅 - 京都教育大学駅(仮称、現JR藤森駅)間および、宇治駅 - 新田駅間の複線化 第2期整備工事:京都駅 - 木津駅間の閉塞方式を、自動閉塞式(特殊)から自動閉塞式への改良 第3期整備工事:宇治駅の2面4線化及び、宇治駅 - 新田駅間の新駅設置 (現JR小倉駅) 第4期整備工事:行き違い設備の一線スルー化や山城多賀駅の行き違い設備の新設など、駅整備改良工事 これに先立って、長年地元から要望があった稲荷駅 - 桃山駅間に新駅設置工事が行われ、1997年3月にJR藤森駅が開業した。一連の輸送改善は当初の計画通りに進み、2001年3月3日のダイヤ改正により221系を投入して快速が増発されることになり、所要時間が大きく短縮されることになった。
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