競技会の進め方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 23:31 UTC 版)
競技ダンスの予選はひとつのフロアで複数のカップル(組)が同時に踊る。審査員の数は7人以上の奇数にするのが一般的であるが、小さな競技会では3人程度の場合もある。 競技会は一次予選から始まる。競技者は各予選にて、12カップル程度(フロアの大きさに依存)に分けられたヒート表を確認し、そのヒート表に基づきフロアに入場する。各ヒートにおいて、すべてのカップルが入場したのを確認したのち、1分15秒から2分間程度の音楽がかけられ、その音楽に合わせてダンスをする。複数の種目がある場合はこれを繰り返す。予選及び準決勝においてはチェック方式にて審査が行われる。審査員はフロア上の各競技者の背番号を確認し、次の予選に進むカップル数分のチェックを各カップルに割り当てる。このとき、同一種目の同一カップルに複数のチェックを割り当てることはできない。次の予選には審査員からより多くのチェックをもらった順に次の予選規定カップル数分選抜され、選抜されたカップルは次のラウンド(予選)に進むことができる。予選全体で各審査員、各種目のチェック総数は決められ、この総数を超えなければ審査員はヒート毎にチェックを増減させることができる。そのため、各ヒートで実力差がある場合は実力差に応じてチェックの数を増減することで調節できる。さらに、ヒート間の公平性を確保するため、ヒート表を作成する段階でコンピュータでランダム化するヒートシャッフルが行われることもある。 ラウンドごとに半数以上のカップルを残すことが決められているので参加組数によって予選の回数は異なる。何度も予選を行い上位選手を絞り準決勝には約12カップル、決勝には6カップル(または7カップル)が進むことができる。 決勝戦ではスケーティングシステムという審査方法を採用している。予選とは違い審査員は各カップルに順位を付ける。過半数の審査員が付けた順位で判定するという審査方式である。順位決定は11の規則にしたがって行われる。また決勝ではソロダンスや規定の演技を行う競技会もある。 複数の組が同時に踊り、チェック法やスケーティングシステムによる審査では、各組の演技の一部分しか審査できず、審査員による評価項目・評価基準にばらつきがあるといった問題があった。近年、評価の客観性を追求するため、世界ダンススポーツ連盟 (WDSF) 及び、日本ダンススポーツ連盟 (JDSF) 主催の主要競技会にてソロダンス(1組のみで踊る)の導入及び、新採点法が導入されている。新採点法では下記項目を10点満点の絶対評価で採点し、総合点(40点満点)を競う。決勝にて実施されることが多かったが、2015年の世界選手権において予選、準決勝にも導入された。 TQ テクニカルクオリティ MM 音楽に対するムーブメント PS パートナリングスキル CP コレオグラフィとプレゼンテーション また、ステップミス、ふらつき、転倒、中断などは別途減点となる。演技の映像はすべて記録され、審査員は結果に対する説明責任を負う。 順位が決まった後、上位入賞者によって踊られるダンスはオナーダンスと呼ばれる(一般的な言葉としてはエキシビション。)。審査基準、審査員資格、予選毎の最小時間間隔、服装規定等、細かい規則は各競技団体によって異なる。
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