絶対評価(ぜったいひょうか)
他人と比較して、集団の中での位置を評価する「相対評価」に対し、個人の意欲とやる気などの <がんばり具合> を評価する方法のことだ。競争主義からゆとり主義への転換の中で現れた。
児童・生徒ごとに学校での活動が記録される指導要録では、教科学習の評価が記述される。従来は、テストでどれだけ点が取れたかということを重視し、集団の中で順位づけられる相対評価が主流だった。これは、学級や学年という集団の中で、その児童・生徒の知識の量がどの程度なのかを見るには有効な目安だった。
しかし、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」という新しい学力観を見るには、テストの成績を基準にするだけは限界がある。絶対評価においては、たとえ成績が悪くても、努力して頑張っていこうとする児童・生徒を「生きる力」があると評価する。
具体的に言うと、5段階評価で、これまで「集団の中で特に優れている」ことを意味していた「5」は、「特に高い程度で目標を達成している」と改められることになる。
新しい学力観に基づいた評価法を取り入れると同時に、これまで進学志望先など外部に向けて使われていた成績評価の役割は終わり、教師から子どもに向けたメッセージとしての側面が大きくなりそうだ。
(2001.05.12更新)
絶対評価
絶対評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/13 03:36 UTC 版)
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絶対評価(ぜったいひょうか)は、評価のうち、特定の基準に基づいて絶対的に評価する方法。
教育分野
教育分野における絶対評価とは、生徒の成績を評価するにあたり、他の生徒の成績を考慮に入れず、生徒本人の成績そのもので評価する評価方法である。絶対評価には、到達度評価と認定評価の2つがある。
到達度評価
到達度評価は(目標に準拠した評価ともいう)、予め設定した到達するべき目標に対して、どこまで到達できたかで評価する。日本の公立学校においては、2000年ごろからこの方法による観点別学習状況評価が一般的になった(正式実施は2002年度から)。
到達度評価をするにあたって設定した到達目標(=観点・内容)を評価規準といい、到達目標に対してどの程度到達できたかを判断する指標(=目安)を評価基準という。どちらも「ひょうかきじゅん」と読むが、意味は明確に異なるので注意が必要である。言葉を区別するために、規準を「のりじゅん」、基準を「もとじゅん」と読むことがある。
例えば「鉄棒の練習」を評価する場合、
- 逆上がりができるようになる
が評価規準、
- 補助板を使わずに逆上がりができた
- 補助板を使って逆上がりができた
- 補助板を使っても逆上がりができなかった
が評価基準である。
評価規準や評価基準を明確にすることで、評価方法が明確になり、また生徒に評価を返す際にも、生徒自身で自分がどこまで達成できているのかを確認することができるという利点がある。一方で、評価規準や評価基準の設定や判断は教師によるところが大きい。異なる2人の教師が同じ学習場面で同様の指導することを想定した場合、一方は全員が達成できることをねらった評価規準を設定し全員が達成できた、もう一方は7割程度の生徒が達成できるような評価規準を設定し、およそ半分の生徒が達成できなかった、というような状況は十分起こりうる。そのため教師には、評価規準・評価基準の設定方法や、評価の精度についての研修が求められている。
こうした複雑とも言える到達度評価についての詳細は、2006年の「誰も教えてくれない教育のホントがよくわかる本」ISBN 4286009548 で一般人向けにわかりやすい説明で取りあげられている。
また、評価規準や評価基準による評価が偏って分布することを避けようとする意図のもとに、評価規準や評価基準を設定するのでは、相対評価と何ら変わりはないと批判する者もいる。
認定評価
認定評価は、教師が公開していない基準、教師の頭の中にある満足のいく成果というものにあわせて評価される。評価方法として例えば、試験や平常時の課題、授業態度等を勘案し、特定の評定値が当該科目履修者全体の平均となるよう割り当てる方法などが用いられる。相対評価の側面を残しつつ個々の得点を評価するため、必ずしも最低値が1になるとは限らない。茶道、華道、書道など芸事に関係するものや理解の深さを判定するようなものの場合は、一般にこれが評価の姿勢にあるが、基準が生徒には分からないため、往々にして教師不信を生み出したり、逆に教師に盲従するといったケースも見られ、人間形成のための評価方法として、これのみで評価することに多くの問題点が指摘されている。
関連項目
外部リンク
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