窯変の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 06:33 UTC 版)
胡麻(ごま) - 窯焚の最中に、松割木の灰が吹き付けられ、高い熱により、釉化してできる模様。 桟切り(さんぎり) - 松割木が燃尽きた灰に作品が覆われ、空気の流通が妨げられることで燻し焼きになった際にできる模様。 緋襷(ひだすき) - 作品を重ねて窯詰めする際に藁を巻いて作品通しが癒着しないようにしたのが始まりとされる、藁を巻き鞘などに詰め直接火の当たらない場所で焼くことによって、生地全体は薄茶色、藁のあった部分は緋色になる模様。薄茶色と緋色のコントラストが端麗で人気も高い。 牡丹餅(ぼたもち) - 焼成時に作品の上に丸めた土や小さな作品などを置くことで焼きムラができ、該当部分が白くなる。その形が牡丹餅のようになることからこの名がつけられた。 青備前(あおびぜん) - 窯中の酸素が当たらない場所で焼かれることにより、還元が起こり、鮮やかな青灰色になる。酸素が少量であるほど、青色に近づいてゆく。青備前は、釜の中で還元状態になる場所が少なく、生産が困難なため、大変珍重されている。また、初代藤原楽山が考案した塩青焼という塩を用いた手法でも、独特の青備前がつくりだされる。 黒備前(くろびぜん) - 伊部手と呼ばれる技法によって、成形後に鉄分を多く含んだ土を表面に塗り上げてから焼成することにより、土が溶けやすくなり、釉薬のような働きをする。残っている当時の作品は少ない。近年、再現する技法が研究され、備前焼窯元の六姓の一つ森家の大窯や、著名な備前陶芸家の間でも焼かれている。黒っぽいだけで黒備前と名付けられたものもあるが、本来の姿ではない。 白備前(しろびぜん) -18世紀初頭に作成された鉄分の少ない土を高温焼成することにより、白色にする備前焼の一つ。あまり作られない時期があったことや、製法が作家によって異なるため非常に希少であり、古い年代のものは骨董品としても重宝される。 伏せ焼(ふせやき) 備前火襷(緋襷)徳利 安土桃山時代 箱根美術館蔵 備前牡丹餅平鉢 メトロポリタン美術館蔵(バーク・コレクション) 耳付水指 銘 龍田川(みみつきみずさし めいたつたがわ) 桃山 - 江戸時代 東京国立博物館蔵 矢筈口水指 安土桃山時代 MOA美術館蔵
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