福井在住時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 06:28 UTC 版)
旧金谷屏風 元和末から寛永初年頃 元々、福井の豪商金谷家に伝わっていた紙本・六曲一双の押絵貼屏風(屏風の一扇一扇に一枚ずつ絵を貼ったもの)。「官女観菊図」付属の伝来書によれば、松平直政が金谷家当主に下賜したものだという。現在は一扇ごと軸装され、諸家に分蔵されている。左右の端に龍虎、その間に源氏物語や伊勢物語や、中国の故事人物を隣合わせに描き並べた構成は他に類を見ない。手法を見ても龍虎のような水墨画と、官女観菊図のような土佐派的白描画が、同一筆者による屏風絵の中に、いずれも本格的なものとして共存しているのは異例である。また、その水墨画も、海北派や長谷川派、雲谷派の画法を取り入れたあとが見られる。下に右隻一扇目から順に、画題と現在の所蔵先を記す。「虎図」 墨画 東京国立博物館 「源氏物語・花の宴(朧月夜)図」 着色 所在不明 「源氏物語・野々宮図」(重要美術品) 淡彩 出光美術館 「龐居士図」(重要美術品) 着色 福井県立美術館 「老子出関図」 淡彩 東京国立博物館 「伊勢物語・烏の子図」(重要美術品) 着色 東京国立博物館 「伊勢物語・梓弓図」(重要文化財) 着色 文化庁 「弄玉仙図」(重要文化財) 着色 摘水軒記念文化振興財団寺島文化会館蔵 「羅浮仙図」(重要美術品) 着色 個人蔵 「唐人抓耳図」 着色 所在不明 「官女観菊図」(重要文化財) 淡彩 山種美術館 「雲龍図」 墨画 東京国立博物館 池田屏風(旧樽谷屏風) 旧岡山藩池田侯爵家に伝わった着色・八曲一隻の腰屏風押貼絵を分割したもの。旧称「樽谷屏風」の名前の由来は不明。大正8年(1919年)の売り立てで分割された。下に一扇目から順に、画題と現在の所蔵先を記す。「貴人の雪見」 所在不明 「王昭君」 サンフランシスコ・アジア美術館(ブランデージコレクション) 「寂光院」(重要文化財) MOA美術館 「伊勢物語・花の宴」 所在不明 「伊勢物語・梓弓」 所在不明 「伊勢物語・五十三段」 出光美術館 「僧をたずねる武人」 所在不明 「職人尽・傘張りと虚無僧」(重要美術品) 根津美術館 「三十六歌仙絵」 紙本著色 36面 福岡市美術館 落款・印章は無いが、極端に誇張・変形された身体表現を用いて一人一人の個性が巧みに描き分けられており、福井時代初期の又兵衛作だと推定される。図上に書かれた和歌が全て削り取られているが、その理由は不明。上野精一旧蔵品。 「人麿・貫之像」(重要文化財) MOA美術館 「和漢故事説話図」 福井県立美術館 「武者絵」 (重要美術品) 紙本着色 ニューオータニ美術館 「花見遊楽図屏風」 四曲一隻 個人蔵
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