禁煙トレーニング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 18:35 UTC 版)
1回の禁煙の試みは、例えば次のような手順で行われる。 2週間以内に、禁煙を開始する日を決める(土日祝日が選ばれるケースが多い)。 禁煙の準備として、禁煙中に行うことをなるべく多く考え、書きとめておく。 身の回りにある喫煙関連の用具をすべて廃棄すること。 医療機関を受診しニコチンパッチを入手する。通常は8週間分であるが、4週間分で行う方法もある。 ニコチンパッチを貼る。前に書きとめたことを行う。喫煙は、他の習慣と結びついていることが多いので、なるべく日常の習慣を変える。タバコを吸いたい衝動は、およそ3分で収まるので、その間を乗り切る。少量でも吸えば、失敗に終わる。 タバコなどに由来するニコチンは平均3日で体から消えるが、精神的な依存は平均30日続く。禁煙後およそ30日が経過したら、一応禁煙達成と考える。 およそ平均2kgの体重増加があるが、禁煙達成後に対策を行う。 達成後に再喫煙してしまうのは、酒の席が多い。なるべく参加を辞退する。止むを得ない場合は、非喫煙者の隣に座る。また、ストレスが急に増えた時に再度喫煙することがあるので、対策を立てておく(現役喫煙者から再喫煙を勧められたり、強要されそうな場合はその場から立ち去り、先に退出しても問題はない。ただし、無銭飲食は厳禁)。 移動手段(新幹線、特急電車など)として現役喫煙者とは常に別行動をすること。喫煙エリア、喫煙ルームには近づかない、立ち入らない習慣を身に付けること。 現役喫煙者とは別居するのも有効手段の一つである。 タバコ代を貯金箱に入れて貯金するなど、禁煙の利益を見やすい形にして禁煙を継続する。卒煙後は自分自身のためにご褒美を作ると好ましい(ただし、喫煙関連の商品およびそれを連想するものは厳禁)。 その他にはニコチン、タールを体外へ排出する禁煙サプリメントの服用、禁煙を支援する内容の書籍を読み実行することにより禁煙の成功率が若干あがる(ただし、途中で中断したり誤使用した場合は対象外とする)。 また、専門家によるカウンセリングも有効であり、カウンセリングを受ける時間に比例して、禁煙成功率は最大30%にまで増加する。欧米諸国の先進国では公的機関による禁煙用の無料電話en:quitlineがあり、禁煙希望者の質問に答えている。 2008年から、医療機関にて保険診療による経口禁煙治療薬を用いる禁煙外来が行われている。薬物療法とカウンセリング療法を組み合わせたもので、科学的に卒煙できる方法として、注目されている。日本の禁煙外来では、ニコチンパッチとカウンセリングを併用して行っているが、電話などの相談窓口は存在しない。 失敗のケースとして喫煙本数を1本ずつ減らすやり方は、減らすこと自体がストレスになりやすい。またタバコのない環境に閉じ込める方法も、依存を強めるだけに終わる。かつては島津藩では喫煙者を死刑にしたが、喫煙を減らす効果は無かった。
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