磁気式乗車カードの共通化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:32 UTC 版)
「乗車カード」の記事における「磁気式乗車カードの共通化」の解説
バスカードについては、同一地域内での各事業者の乗車カードの共通化が早くから各地で進められ、首都圏1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)におけるバス共通カードのように広域的に共通化されたものもあった。バス共通カードは、1992年3月には横浜市・川崎市内の均一運賃区間で共通利用が始まり(横浜市営バス・川崎市バス・神奈川中央交通・江ノ島電鉄の4社局)、横浜市交通局のマリンカードとの共通利用も図られた。1994年10月には東京都区内均一運賃区間(東京23区・武蔵野市・三鷹市・調布市・狛江市)の各社局にも共通利用の範囲が広がり、その後段階的に東京多摩地域や埼玉県・千葉県の多区間運賃制の地区でも利用可能となった。PASMOへの移行に伴い、バス共通カードは2010年内に各社局での販売・利用が停止されている。 また広島県でも、1993年3月25日に広島電鉄(バスのみ)・広島バス・広島交通・芸陽バス・備北交通・中国ジェイアールバスのバス事業者6社で共通利用可能な磁気式乗車カード「6社共通バスカード」を導入。翌1994年8月20日には広島高速交通(アストラムライン)が参入、1997年3月31日には広島電鉄が電車線にも導入し、バスと鉄軌道での共通利用となった。また1996年8月31日には公営事業者である呉市交通局も参入している。 関西の私鉄・公営事業者では、1992年4月1日に阪急電鉄が「ラガールカード」でのストアードフェアシステムを開始。こちらは自社線全駅で使用可能となった日本初のストアードフェアシステムとなった。1994年4月1日、ラガールカードと能勢電鉄の「パストラルカード」が共通利用開始。さらに1996年3月20日、阪神電気鉄道、大阪市交通局、北大阪急行電鉄の3社局がこれに参加し、関西5社局共同で「スルッとKANSAI」を開始した(スルッとKANSAIはシステム名で、カード名称は各社局で異なる)。これは日本初の広域の複数事業者での鉄道・バス共通利用システムであり、のちにポストペイ型ICカードPiTaPaへつながっていく。 関東ではイオカード発売と同年の1991年11月29日、帝都高速度交通営団(現・東京メトロ)から南北線の駒込駅 - 赤羽岩淵駅間の開業時にストアードフェアシステムのNSメトロカードが発売され、将来の共通化を視野にイオカードと同じシステムを採用した。当時は南北線限定のカードであった(NSは「南北=North・South」と「New Service」を掛けている)。また1993年11月1日に東京都交通局のTカードが発売されたが、都電・都営バス用カードは神奈中バスカードと同じシステム、都営地下鉄用カードはイオカードと同じシステムを採用し、互換性はなかった。都電・都バス用カードはバス共通カードの都区内均一区間への利用拡大に伴い廃止されたが、1996年3月26日に都営地下鉄と営団地下鉄が共通ストアードフェアシステムを開始し、営団からはSFメトロカードが発売されている(SFはストアードフェアの略)。これをベースとして2000年10月14日にパスネットがサービス開始し、当初は首都圏17社局が参加した。イオカードベースのシステムであったが、JR東日本はSuicaを開発中としてパスネット協議会に参加しなかった。首都圏の公営・民営事業者は、パスネットとバス共通カードを統合する形でPASMOへ移行することになる。
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