目撃者と救出作業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/12 05:54 UTC 版)
「英国欧州航空548便墜落事故」の記事における「目撃者と救出作業」の解説
本事故には目撃者が3名いた。近くを歩いていたポール(9歳)とトレヴォー(13歳)のブーク兄弟と、車で通りがかって近くの民家に駆け込み空港に電話で通報した運転者である。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}犬を連れて歩いていて上を見たら飛行機が見えた。丁度もやの中から出て来るところでエンジンが止まって墜ちているようだった。夢かと思った。空から飛行機がいきなり落ちて来たのだ。地表にぶつかる瞬間は見えなかった(中略)墜ちた場所は木立に囲まれていたから。墜ちた際はまず先端がぶつかり、後端は単に吹き飛ばされた。 —トレヴォー・ブーク、Mayday 航空管制官は同機がレーダーから消えたのに気付いていなかった。消防や救急も15分後まで事故を知らず、状況を把握するまで1時間近く掛かった。最初に現場に駆け付けたのは発見者の兄弟から通報を受けた近所に住む元看護婦で、その次はたまたま通りがかった救急車の隊員だった。生存者は男性客1名が客室で発見されたが、アシュフォード病院に運ばれたのち意識が戻らないまま死亡した。もう1人少女も発見されたが現場で死亡した。他に生存者はいなかった。合わせて救急車30台と消防車25台が現場に投入された。 付近の道路は酷い渋滞となり、その様子をマイケル・ヘーゼルタイン航空宇宙相はBBCのテレビ番組上で「食屍鬼ども、不幸な食屍鬼ども」と表現した。野次馬が多過ぎて救助活動が邪魔されたという話もあったが、調査報告書によれば警察が野次馬を捌いたのでその事実は無かった。なお、一部の目撃者は交通渋滞の原因は単に警官がA30を通行止めにしたからで、野次馬のせいではないと述べている。 消防隊が駆け付けた際には、機体の残骸の中から生存している数人の乗客を見出すことができたが、地上にたたきつけられたショックで次々と死亡した。唯一、アイルランド人の男性が病院に担ぎ込まれたが、事故の様子などを語る間もなく息を引き取った。 BEAの機長であるエリック・プリッチャードは遺体が全て収容された直後に現場に到着し、残骸について所見を述べている: 機体は機首を高く上げた姿勢で墜落した。2番エンジンは大きなクレーターを穿った。機尾はほぼ完全に機体から分離した。同機が前に進んでいた形跡は殆どなく、実際、あちこち歪んで壊れていたが機体全体としては無傷で、特に胴体がそうだった。左右の主翼は見たところ大した損傷はなかった。ドループとフラップは全部引き込まれていた。 —エリック・プリッチャード、Mayday イギリス国内の航空事故で犠牲者が100名を超えたのは本事故が初であり(イギリスの航空会社、かつ海外で発生した事故には英国海外航空機空中分解事故がある)、後にスコットランドのロッカビーでパンアメリカン航空103便爆破事件が起きるまで英国史上最悪の航空事故だった。
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