病原性の証明とは? わかりやすく解説

病原性の証明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 04:22 UTC 版)

ヘリコバクター・ピロリ」の記事における「病原性の証明」の解説

発見され当時慢性胃炎胃潰瘍もっぱらストレスだけが原因であるという説が主流であったが、マーシャルらは本がこれらの疾患病原体であるという仮説提唱した。これらの疾患慢性化胃がん発生関連すること当時すでに知られていたため、この仮説は本ががんの発生関与する可能性示唆するものとしても注目されたが、当初疑いの目を持って迎えられた。 そこでマーシャル培養したヘリコバクター・ピロリを自ら飲むという、自飲実験行ったその結果マーシャル急性胃炎発症しコッホの原則一つ満たすことが証明された。ただしマーシャル胃炎この後治療を行うことなく自然に治癒したため、急性胃炎以外の疾患との関連については証明されなかった。一方、彼とは別にニュージーランド医学研究者、アーサー・モリスもまた同様の自飲実験行ったその結果マーシャル同様に急性胃炎発症しただけでなく、モリス場合慢性胃炎への進行認められた。これらの結果から、ヘリコバクター・ピロリ急性および慢性胃炎原因になることが証明された。この後疫学的研究から、これらの疾患慢性患者多くから本分離されることや、本除菌治療再発防止に有効であることも明らかになった。 胃癌との関連については、ヒト以外の動物用いた数多く実験にも関わらず証明できないままであったが、疫学調査結果から明らかになっていった。そして1994年には国際がん研究機関 (IARC) が発行している IARC発がん性リスク一覧に、グループ1(発がん性がある)の発がん物質として記載された。その後日本から有用な成果相次いで報告された。1996年平山らは、ヘリコバクター・ピロリスナネズミの胃に感染しヒト同様の慢性胃炎消化性潰瘍形成することを発見した1998年には、渡辺らが長期間飼育したピロリ菌感染スナネズミ胃がん発生したことを報告しコッホの原則に基づく最初の証明とされた。この年にはさらに立松らによって、発がん物質投与ピロリ菌感染組み合わせた、より効率の高い動物胃癌モデル確立されている。 2001年にはピロリ感染者では胃癌発症するものの、非感染者では全く発症しなかったと日本から報告された。 一方ヘリコバクター・ピロリ除菌広く行われだした頃から、この治療行った患者食道炎食道がん発生が多いことが報告されており、本は胃に対して悪影響をおよぼす傍ら食道に対してはむしろ疾患防御している可能性議論されている(後述)。

※この「病原性の証明」の解説は、「ヘリコバクター・ピロリ」の解説の一部です。
「病原性の証明」を含む「ヘリコバクター・ピロリ」の記事については、「ヘリコバクター・ピロリ」の概要を参照ください。

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