病原性と免疫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 02:38 UTC 版)
ペスト菌の病原性は、F1抗原、V抗原と名づけられた2つの抗食細胞性抗原によっており、2つともが病原性の発現に重要な役割を担っている。これらの抗原は、37℃の環境下で生成される。ペスト菌は単球などの白血球内で生き続け、F1抗原、V抗原を産生する。しかし好中球の中では生きられない。免疫作用により、F1抗原、V抗原に対応する抗体が産生され、好中球による食作用を引き起こす。 かつてホルマリンで不活性化したワクチンが使われたことがあったが、活性化した菌が残っている強い危険があるとしてアメリカ食品医薬品局により回収された。効果は薄く、重度の炎症を引き起こすこともあった。F1抗原、V抗原の部位を遺伝子工学により改変したワクチンの研究が試みられているが、F1抗原を欠いたものにも強い毒性があり、V抗原は野生でも変性しやすいという性質があり十分にうまくは行っていない。
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