産業・観光・文化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 14:15 UTC 版)
機械工業、冶金、化学・石油工業などの産業が盛んで、シベリアでの食肉産業の拠点でもある。 市内には、ドストエフスキー記念オムスク国立大学、オムスク国立工科大学、オムスク国立教育大学、オムスク国立医科大学、オムスク国立農業大学など多くの高等教育機関があるほか、ロシアきっての「演劇都市」としても知られている。中でもオムスク・ドラマ劇場は、安部公房作の「砂の女」を上演、ロシアでもっとも権威のある「黄金のマスク」賞を受賞していることで有名。また、三谷幸喜の「笑の大学」をロシアで初演したのもこの劇場だが、他に第5劇場、人形劇場、音楽劇場、青少年劇場もある。 市内にあるプーシキン図書館の蔵書量は、シベリア最大を誇る。都市が開放されてからは日本とのつながりも深く、多くの日本の劇団や演劇人が訪れ、オムスク大学では毎年、日露演劇会議との連携で単位認定の「日本文化講座」が開講されるなど、日本との関係はきわめて良好。2007年には、革命時に破壊されたネフスキー寺院が市の中心部に再建され、地下鉄の建設が始まるなど、都市の整備が急ピッチで進んでいる。 夏には、イルティシュ川のクルージングが楽しめ、地ビールの「シベリアの王冠」は、ロシア・ビールの逸品。ホテルも充実している。ちなみに、オムスクは、ロシアの文豪ドストエフスキーが、1850年1月から1854年2月まで流刑されていたところ。その体験は、後に『死の家の記録』として発表されている。 街並みで見どころとなるのは、リュビンスキー大通り(Lyubinsky prospekt)とレーニン通りに建ち並ぶ豪華な建築群である。二つの礼拝堂に挟まれたゴスチヌィ・ドヴォール(18世紀末以降、モスクワやサンクトペテルブルクなどに建てられたような屋内型の市場・ショッピングセンター)が中心となるほか、取引所とドラマ劇場が並んでいる。これらはすべて19世紀末から20世紀初頭の建築である。近くの通りには、同時期に建てられた保険会社・信託会社・銀行などが入っていた瀟洒なビルが立ち並ぶ。川の合流点には、18世紀のクレムリがひっそりと建つ。ニコルスキー大通り周辺には木造の商家が今も残る。その先にはコサックが発注し19世紀のロシア有数の建築家ヴァシーリー・スターソフが設計して1840年に完成した新古典主義建築の聖ニコライ聖堂があり、コサックの様々な文化財をおさめている。 オムスク最大の聖堂は1896年に献堂された生神女就寝大聖堂で、ロシア・リバイバル様式の五つのねぎぼうず型ドームのある巨大な聖堂である。ソ連時代に爆破解体されたが、2000年代にようやく再建された。 その他、オムスク出身の画家ミハイル・ヴルーベリ(Mikhail Vrubel)を記念したヴルーベリ美術館と歴史博物館があり、それぞれかつての取引所と総督官邸に入居している。
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