現在と将来
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 14:26 UTC 版)
「ヘルシンキ・マルミ空港」の記事における「現在と将来」の解説
近年、マルミ空港はジェネラル・アビエーションの一大拠点として利用されている。事業用操縦教育および航空事業に加え、自家用航空や航空クラブがここで運営されている。2002年には、フィンランドの全パイロットの50%と事業用操縦士の3分の2がマルミ空港で操縦教育を受けた。フィンランド内務省・前線監視団は同空港の重要なユーザである。特別な状況下において、マルミ空港はまた、ヘルシンキ・ヴァンタ空港の予備飛行場として機能し、軽量旅客機の発着に対応する。 マルミ空港はまた、その環境が空港区域を取り巻く美しい自然の風景と自然遊歩道を作り出しているため、アウトドア活動を愛好する人々の間で有名である。同空港で開催される航空ショーやその他の公共イベントには、毎年数万人の見物客で賑わう。マルミ空港においてとびきり良好に保存されている第二次世界大戦前の航空環境はまた、国際的認知を受けてきた。この環境は、ワールド・モニュメント財団 (WMF) によって、2004年版の危機に瀕している世界の文化名所リスト100に選ばれており、さらに2005年6月には2006年版リストにも再選出されている。また同空港は、近代の時代動向を象徴する建築物・記念物および場所を一覧目録に載せ、保存することに奉仕する国際 DoCoMoMo ワークグループのフィンランドセレクションに含まれている。 ヘルシンキ市がマルミ地区を住宅建設地域に指定しているため、マルミ空港の将来は明るいものではない。フィンランド国家は、2034年まで法的に有効な土地割譲協約をヘルシンキ市と結んでいるが、ヘルシンキ市委員会は2005年1月、土地割譲協約を取り消す方針であることを国に伝えること、ならびに2010年末までに当該地域を市の管理下に戻すよう国に求めることを決定した。フィンランド運輸通信省は民間航空局より2005年6月付けで、代替案および経費について新たなアセスメントを行うよう命令した。このヘルシンキ市域空港調査書が2007年8月16日に出版され、計器着陸装置(ILS)を装備した全長の長い新滑走路を建造し、現行の古いすべての滑走路を廃止することでヘルシンキ・マルミ空港における運用を進めるとともに、同空港から約50km東、ポルヴォーの街に近いバッカスに新空港を建設するといった主要な代替案を細部にわたって公開した。マルミあるいはシポーにヘリコプター基地を設置するというさらに二つの代替案が提出されている。この調査書は、他の関連資料とともに意思決定材料として供されることになっている。2008年2月、運輸通信省は道路局より、調査書にある代替案が環境に与える影響についてのアセスメントを開始した。この環境アセスメントには2~3年を要するものと見込まれている。
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