現在と今後の動向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 15:43 UTC 版)
現在では、植物の防御機構についての研究に加えて、内生/外生真菌と植物との関係と生態系における影響、特に肉食動物に対する効果も主要な研究テーマとなっている。内生真菌が植物生理と揮発性有機化合物発生量を変更させる機構はまだよくわかっていない。これらの変更効果は環境条件、特に草食動物との遭遇率によって変わることは明らかとなっているが、その研究結果には現在のところ整合性は得られていない。 内生菌は、草食動物による食害に対する誘導防衛と耐性の両方において中心的役割を担う。過去十年間にわたり、内生菌が媒介する植物防衛の分子機構についての研究が盛んになっている。 遺伝子工学などの生物工学の技術進歩により、遺伝子改変した内生菌を用いて農作物の収量と防御効果を増加させる研究が進んでいる 。草食動物への応答に関する遺伝学の知見はトールフェスクFestuca arundinaceaの研究で得られている。内生真菌が存在する場合、トールフェスクの防御機構における化学経路はジャスモン酸により下方制御されている。 多くの場合、密接に共生している真菌は自身の二次代謝産物生産関連遺伝子を宿主のゲノムに組み込む。このことは様々な植物において防御の化学経路の成り立ちについて説明するのに役立つ。また、化学経路を生物工学へ利用することを可能にする。
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