アトキンソン・スティグリッツの定理とは? わかりやすく解説

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アトキンソン・スティグリッツの定理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/12 08:20 UTC 版)

アトキンソン・スティグリッツの定理(En:Atkinson-Stiglitz theorem)は、最適な税制を達成するためには間接税は必要であることを示した定理である[1]アンソニー・アトキンソンジョセフ・スティグリッツの名を冠したこの定理は公共経済学における最重要定理の一つである。

基本形式

ここに二つの集団があるとする。グループ1とグループ2とする。後者が能力的弱者とする[2]。その場合政府が税制度のパレート最適性を達成するために、 まずグループ2の効用が所与の水準もしくはそれより大であるという条件を課す。

さらに政府は税収の最大値を設定し、税収がその最大税収と等しいかそれよりも多くなるような条件を課す。

これらの条件の下で政府はグループ1の効用を最小化する必要がある。

最適値を調べるための基本関数の形式は以下のように与えられ、

最適解を得るための基本条件は

となる。

かつ となるケースでは、

となり政府は一括徴税できる。

 かつ となるケースでは、

グループ2への限界税率はゼロとなる。グループ1に関しては、

もしであれば、グループ1への限界税率はとなる。さらには、

であり、ここで を以下のように定義する。

条件からであり、となることがわかる。よってグループ1への限界税率は正となる。

and のケースではグループ2への限界税率が負となる。一括徴税すると能力的弱者への徴税が強者よりも多くなってしまう。

パレート最適な税制

個人の消費関数をベクトル形式で

と書く。この場合政府の財政に関する不等式は、

となる。

従って最適解の条件は以下のようになり、

ここで and の場合を考えると、

となる。そして、

となるために、以下のような結論を得る。

すなわちパレート最適な税制を達成するためには、コモディティへの課税が必要であることがわかる[2]

関連項目

脚注

  1. ^ A.B. Atkinson and J.E. Stiglitz, Journal of Public Economics, 6 (1976) 55-75
  2. ^ a b J.E. Stiglitz, Journal of Public Economics, 17 (1982) 213-124, North-Holland

アトキンソン・スティグリッツの定理 (1976)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/29 00:50 UTC 版)

最適資本所得課税」の記事における「アトキンソン・スティグリッツの定理 (1976)」の解説

アトキンソン・スティグリッツの定理は、もし非線形租税所得政策ツールとして用いられるとすればすべての消費者消費労働の間の弱い分離選択した場合最初とその次の期間の消費差額課税最適ではないことを述べる。それだけでなく、消費者消費同質副効用関数を必要とする。資本所得課税応用する場合、アトキンソン・スティグリッツの定理は、現在と将来消費は弱い分離的選択によって余暇等しく補うので(そしてしたがって資本所得課税についてはコーレット-ハーグ動機存在しないので)、追加の歪ませる資本所得場合労働所得課税によって引き起こされる資本所得課税は、その租税歪み軽減しないことを主張するこのようにして資本所得課税、すなわち差額への消費課税は、純粋な非線形労働所得課税よりも多く費用がかかる(したがって最適に及ばない)。

※この「アトキンソン・スティグリッツの定理 (1976)」の解説は、「最適資本所得課税」の解説の一部です。
「アトキンソン・スティグリッツの定理 (1976)」を含む「最適資本所得課税」の記事については、「最適資本所得課税」の概要を参照ください。

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