アトキンス・ダイエットの流行
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「アトキンスダイエット」の記事における「アトキンス・ダイエットの流行」の解説
1972年、ロバート・アトキンスは『Dr. Atkins' Diet Revolution』(邦題:『アトキンス博士のローカーボ(低炭水化物)ダイエット』)を出版した。アトキンスはこの本の中で、「肥満を惹き起こすのは炭水化物であり、これを制限する代わりに、肉、魚、卵、ステーキ、バターのような、タンパク質と脂肪が豊富な食べ物は自由に食べてかまわない。炭水化物が多いものは可能な限り避けなさい」と推奨している。この著書が世に出てから、アトキンスが亡くなるまでこの食事法は普及していた。2003年にイギリスで行われたアンケートによれば、300万人が、アメリカ合衆国においては11人に1人がアトキンス・ダイエットを試したことがあると推定されており、成人の7人に1人がこの食事法を取り組んだという。 2000年2月24日、アメリカ合衆国農務省は『Great Nutrition Debate』と呼ばれる討論会を主催し、アトキンスとバリー・スィアーズ( en:Barry Sears )をパネリストとして招いた。アトキンスもスィアーズも、炭水化物の危険性を訴える点で共通していた。この討論会では、アトキンスに対する批判が集中し、アトキンスはその批判に答える形で登壇に立った。 2003年には、パスタや米といった炭水化物が多い食べ物の販売額が4.6~8.2%ほど落ち込むことになり、それらの産業界からは数多くの怨嗟の声が上がり、クリスピー・クリーム・ドーナツの販売店からも恨みの声が上がった。著書が売れたことに伴い、炭水化物の少ない特別製品を発売する企業が増えた。 2004年、ダイエットの1年後から頭痛や下痢といった副作用もみられ、長期的な安全性は保証できないと報告された。 2004年2月の時点で、消費者の9.1%がこの低炭水化物ダイエットを実行していると答えていたが、同じ年の7月には2.1%に急落した。1989年にアトキンスが設立した法人企業『アトキンス・ニュートリショナルズ』は、連邦倒産法第11章に基づき、会社更生手続きをとった。
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