燃料による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 07:38 UTC 版)
燃料を安定して供給し安定した着火性能を発揮するために、液体または気体の燃料を利用する。固体燃料の製品は近年では一般に市販されていない。 オイルライター 燃料としてオイル(主に精製度を高めた灯油、ナフサやベンジンなど)に火をつけるもの。毛細管現象によって芯へと上がって来た液体のオイルが揮発することによって燃料となり、適切な揮発機構を持つオイルライターは、揮発機構内で気化した燃料を適度に含む空気が渦になってとどまるため、強風のなかでも高い着火性を持つ。一方、どうしてもオイルの臭気が伴うことと、オイルが揮発するためこまめな補充を要するのが弱点である。数週間も放置すると、(たとえ使用しなくても)タンクが空になり着火しなくなってしまう。イムコ、ジッポー、ロンソンなどのブランドが有名。なお、ベンジンを用いる白金触媒式懐炉と燃料を事実上共用できる場合も多い(ただし自己責任で)。ジッポーブランドの懐炉も存在し、その指定燃料はジッポーオイルとなっているため、それらの組み合わせにおいては、メーカ保証も受けられる。 ガスライター 小型ガスボンベと小型ガスバーナーが一体となった物である。燃料として主にブタンなどの可燃性ガスが使用されている。気体のブタンは密度が小さく、空気に混じってしまうが、比較的低い圧力で液体となるため、ライターには利用しやすい物質といえる。液化ガス式ライターには、燃料を補充できるものと、補充できない使い捨てのものがある。後者の製品は燃料補充の手間がかからないことと、非常に安価な製品(いわゆる百円ライター)が1970年代半ば以降 普及したため、現在のライター製品の主流となっている。また、気化したブタンやその燃焼ガスはほぼ無臭であるため、煙草の香りをそこなわないとしてガスライターを重用する者もいる。このことを理由に葉巻はガスライターで着火されることが多い。 ガスライターはその燃料の性質上、可燃気体のガス噴出量と周辺空気の混合比率が適切な状態で燃焼がおこるため、ライター周辺の風が強いと本来設計された位置で点火用の火花を散らしても発火点に達せず、着火しない事がある。ただし、ガスの噴出圧力を利用して強制的に混合気を点火チャンバー内に供給するターボライターの登場によって今日では強風のなかでも点火が可能になっている。 ターボライターはガスが高温燃焼するために、対象物への着火が早く、また一回あたりの燃焼時間が短くて済み、燃焼効率・燃費がよく、結果一回のガスチャージ(補給)で使える回数が多くなるという利点もある。しかし、炎の温度が高過ぎ、炎自体も淡く青いためにわかりにくいとされて敬遠されがちだった。このため、現在では燃焼チャンバーにタングステン等の金属フィラメントを配して、ガスの燃焼にともなう熱で赤熱させて、着火をわかりやすくしている。 また、これらターボライターのフィラメントに、稀少金属である白金(プラチナ)を使用した場合に、触媒効果によって、ブタンガス混合気の発火点は、通常の450-550℃から190℃へと、かなり落ちる。これにより、万が一にも炎が風で吹き消えても、白金フィラメントが十分に加熱されていれば、自然発火によって再点火し、炎の持続性が格段に向上する。この原理を応用した一般のものより高価な触媒ライター(または白金ライター)もある。
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