燃料などへの加工
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 07:19 UTC 版)
砂糖やラム製造時にサトウキビの絞りかす(バガス)が濃縮・蒸留の燃料としても利用されてきたが、廃糖蜜や搾りかすを原料にバイオ燃料開発も行われている。サトウキビを絞った汁から砂糖を取除いた液体は「廃糖蜜」(モラセス)と呼ばれ、これを発酵させていわゆるバイオマスエタノールを取り出し、自動車燃料の一部として使う研究が行なわれている。 また廃糖蜜を原料に発酵させてグルタミン酸ナトリウムなどのアミノ酸を生産している。そのグルタミン酸を使いやすいように粉状にしたものが「味の素」等に代表されるうまみ調味料である。 ブラジルでは1980年代から自動車燃料等のアルコールへの転換が政府主導で進められており、燃料用のサトウキビを政府が一定価格で買い上げるため、それまで栽培されなかった地方でも栽培が増えている(ポルトガル語版の表を参照)。 日本でもバイオマスの一つとして、アサヒビールが研究を行い、品種改良された「モンスターケーン」と呼ばれる分蘖(ぶんげつ)数が多く従来の2倍の収穫量があるとされているサトウキビの栽培が行なわれており、小規模のアルコール製造工場を沖縄に建設し、試験生産と自動車への試験運用を行っている。現在の日本では法令上、自動車燃料での利用はガソリンに3%という混合が限界であり、それ以上の混合率やアルコール単体の自動車での利用が認められていないが、宮古島市、伊江村においてバイオマス燃料に対する実証実験が行われており、この実験結果次第で自動車用燃料におけるアルコール比率の規制緩和が期待される。
※この「燃料などへの加工」の解説は、「サトウキビ」の解説の一部です。
「燃料などへの加工」を含む「サトウキビ」の記事については、「サトウキビ」の概要を参照ください。
- 燃料などへの加工のページへのリンク