燃料としてのアルコール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:27 UTC 版)
「アルコール燃料」の記事における「燃料としてのアルコール」の解説
エタノールやメタノールは可燃性の液体であり、そのまま燃やして熱源として利用できる。とくに高純度のエタノールは、古くからランプやコンロの燃料となっていた。エタノールなどの低分子アルコールは酸素含有率が高く、煤が出にくいという利点があることから、現在でもこのような形でアルコールが燃料として利用されることは珍しくない。卓上コンロなどで利用されるアルコール固形燃料は、エタノールに酢酸カルシウムを混ぜる、またはステアリン酸を加えるなどの方法で液体のアルコールをゲル化させたもので、アルコールを直接燃やす方法の1つといえる。 アルコールは内燃機関の燃料としても利用される。20世紀初頭に石油から精製されるガソリンの供給が一般化するまではアルコールが内燃機関の主要な燃料であり、内燃機関の発明者であるニコラス・オットーもエタノールを燃料として利用していたとされる。1908年に発売され、自動車文明をもたらしたフォード・モデルTは、エタノールとガソリンのいずれも燃料として利用することができた。このような内燃機関の燃料としてのアルコール利用は、石油から生成されるガソリンが大量かつ安価に供給されるようになってから下火になったが、1970年代のオイルショック以降、石油とりわけガソリンの価格が高騰するとともに息を吹き返し、最近では地球温暖化への関心の高まりを背景に一段と注目されるようになっている。 以上のほか、燃料電池に水素を供給する手段としてアルコール(とくにメタノール)を用いることがあり、これもアルコールの燃料利用の一形態ということができる。 純粋なエタノールを燃料として利用する場合には、飲料への転用を防ぐため、メタノールなどを添加した変性アルコールの形で利用されることが一般的である。
※この「燃料としてのアルコール」の解説は、「アルコール燃料」の解説の一部です。
「燃料としてのアルコール」を含む「アルコール燃料」の記事については、「アルコール燃料」の概要を参照ください。
- 燃料としてのアルコールのページへのリンク