演劇人の時代とは? わかりやすく解説

演劇人の時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 02:56 UTC 版)

オーソン・ウェルズ」の記事における「演劇人の時代」の解説

1931年ウェルズ16歳で、アイルランドダブリンにある有名なゲート劇場脇役として舞台デビュー果たした1934年にはアメリカ戻ってラジオドラマディレクター俳優となっており、後にマーキュリー劇場共演する俳優たちと仕事をした。この年女優社交界名士のヴァージニア・ニコルソンと結婚し、また『The Hearts of Age』という短編映画共同監督となり、ニコルソン共演している。 世界恐慌後の大不況が続く1936年アメリカ政府による演劇救済大衆への演劇供給目的としたプロジェクトである連邦劇場計画FTP)が始まったウェルズは、FTP責任者たちから注目され21歳ニューヨーク市ハーレム地区でのアフリカ系アメリカ人俳優スタッフたちとの演劇制作事業に、演出家として赴任した。妻の提案で、彼は敬愛するシェークスピア『マクベス』を、ただし舞台ハイチ19世紀初頭圧政アンリ・クリストフ王宮移してプロデュースすることにした。劇は批評家口さがない人々関心惹きつけ、多く中傷受けたが、公演が始まると大ヒットとなった『マクベス』成功後、彼は『フォースタス博士』などの舞台制作した1937年ウェルズ労働者戦いを描くミュージカルゆりかごは揺れる』(原題:The Cradle Will Rock)の制作演出を手がけた。しかし、連邦劇場計画内容恐れて予算制約理由制作中止させ、俳優たちは組合から舞台に立つことを禁じられ、本稽古ドレス・リハーサル)の初日劇場閉鎖したこの後ウェルズ共同制作者のジョン・ハウスマンのとっさの処置はのちに伝説となっている。彼らは公演開始時間直前まで劇場の前で待ちチケット持ってやってきた観客たちに、あらかじめ押さえておいた別の劇場移動するようアナウンスした。20ブロック先の別の劇場までウェルズスタッフ俳優観客たちは大挙して行進した舞台にはセットオーケストラ用意できなかったため、脚本作曲を手がけたマーク・ブリッツステイン一人ピアノ前に座っていた。ウェルズたちは「舞台で演じてならない」という組合指令逆手取り俳優演奏者観客席に座らせてブリッツステインのピアノ合わせて次々立ち上がらせて、劇を観客席ただなか上演した。このミュージカルは、こうした印象的な演出評判ヒットした

※この「演劇人の時代」の解説は、「オーソン・ウェルズ」の解説の一部です。
「演劇人の時代」を含む「オーソン・ウェルズ」の記事については、「オーソン・ウェルズ」の概要を参照ください。

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