測定の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 08:05 UTC 版)
測定には「直接測定」 (direct measurement) と「間接測定」 (indirect measurement) がある。直接測定とは対象と基準量となるもの (reference) を直接比較させて測定量を得ることである。間接測定は対象の知ろうとする量と一定の関係を持つ複数の測定量を得て、関係式から計算を通じて目当ての物理量を得る方法である。例えば、コインの直径はものさしを当てて直接測定が出来るが、遠くの星までの距離を直接測ることは不可能であり、例えば年周視差で求めた角度と天文単位からパーセクを単位に距離を求める方法は間接測定となる。間接測定の身近な例では、直接測定で体積と質量を測り、これらから密度を計算する手段も当たる。 直接測定は複数の手段に分類される。基本量で作られた単位のみを使う測定を絶対測定 (absolute measurement) と言い、これに対し既知の量で校正され振られた目盛を読み取る測定や何かしらの基準値との差を測定する方法を比較測定 (relative measurement)という。 測定系構成での分類では、対象物をものさしの目盛などゼロから連続して開いた基準と並べ、これを順に辿る方法を「偏位法」(deflection method) と言い、取り扱いが易しい利点があるが、電圧計のように測定対象のエネルギーを奪ったり、ばねばかりのように大きな荷重ではばねが伸び切ってしまうなど誤差が生じやすい。ある測定機器で基準となる量を測り、これと対象を置き換えて測り、基準量に差分を加えて数値を得る方法は「置換法」 (substitution method) と呼ばれ、測定器の狂いによる誤差を避けることができる。「差動法」 (differential method) とは、測定する量と反作用するある量を合わせて相殺し、残った差分を計測して数値を得る。「補償法」 (compensation method) では、測定する量を超えないある程度の計測を置換法で測り、残り部分は偏位法を用いて測定する。「零位法」 (null method) は、対象の量と基準の量が等しくなるように基準の量を加減して測定する上皿天秤やブリッジ回路などが該当する方法で、精度は高いが扱いにくい。 測定対象への働きかけ方による分類では、レーザー照射など測定器側から何かしらの働きかけを行うアクティブ法 (active method) と、対象が自然に発する信号など情報を読み取るパッシブ法 (passive method) がある。また、対象との接触の有無でも区分され、接触センシングと非接触センシングがある。後者には写真やカメラ撮影を介して画像を得て測定する方法もあり、対象に影響を与えない。
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