測定の方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 01:44 UTC 版)
まず、測定対象者の上腕の周径に対し適切な幅を持つカフを選択し、きつめに装着する。次に、肘関節屈側中央(動脈部分)に聴診器を当てる。 次に、患者の状態から予測される血圧の中央値程度、例えば100mmHg(ミリメートル水銀柱)程度に、カフ圧を掛け、コロトコフ音が聴取できる事を確認する。 聞こえない場合、聴診器の位置を確認する、それでも聞こえない場合、最高血圧が予想より低いか、最低血圧が予想よりもっと高い場合があるので、カフを緩め、コロトコフ音を探す。だめなら音を聞きながらもう少し圧をかけてみる。140mmHg程度まで上げる過程で何も聞こえないようなら、どこかに問題があるので確認する。また、送気球(ポンプ)を操作しても水銀柱が動かない場合、また患者が痛がる(カフ圧が上昇している)場合、水銀溜めと水銀柱の間の弁の位置を確認する。カフ圧が上がらない場合、送気球(ポンプ)のねじを確認する。 コロトコフ音が聞こえたら、聞こえなくなるまでカフ圧を上げ、表示を見ながらゆっくりカフ圧を下げる。 最初に聞こえる拍動音が、コロトコフ音第1相である、この時点で目盛りを読むと、最高血圧が得られる。次に、音が急にはっきりしてくるのが第2相である。また音調が代わり、第3相である。これらの違いがわからない場合、第1相を聞き逃して、実際より低く血圧を測定している可能性がある。 コロトコフ音の第5相(聞こえなくなった時点)が最低血圧である。妊娠中の女性などでは,コロトコフ音が0mmHgまで聴取される場合がある。この場合は第4相をもって拡張期血圧と判定する。 また、場合により、コロトコフ音の聴診が不能な場合、とう骨動脈の触診で血圧を測定する場合があるが、その場合、カフ圧を0にしても拍動は触知されてしまうので、最低血圧は測定不能である。 以上の操作を最低2回行い、平均を取る事とされている。 両方の腕の血圧の違いが心臓病のリスクを示唆しているため、両方の腕をチェックする必要がある。 測定後は弁をきちんと閉めておくこと。でないと水銀に空気が混じり、次回正しい測定が出来なくなる。
※この「測定の方法」の解説は、「血圧計」の解説の一部です。
「測定の方法」を含む「血圧計」の記事については、「血圧計」の概要を参照ください。
「測定の方法」の例文・使い方・用例・文例
- 測定の方法のページへのリンク