測定・利用にあたっての注意
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 04:11 UTC 版)
「基礎体温」の記事における「測定・利用にあたっての注意」の解説
準備測定には、専用の基礎体温計(婦人体温計)を用いること。微妙な範囲での変化を観察するので、一般の体温計では目盛りが大雑把すぎる。 基礎体温表は、薬局で販売されている専用ノートやダウンロード可能なウェブサイトなど、標準化された形式が提供されており、特に婦人科医に見せる際は、それに記録しておくと便利。自分のみでの利用は、数ヶ月のデータ蓄積やグラフ表示が可能な電子婦人体温計もある。 測定・記録方法婦人体温計は、寝る前に枕元のすぐ手が届く場所へ用意しておく。直射日光や冬の冷気で、体温計の先が温まっていたり冷えていたりすると、咥えた時に口の中の温度が変わって正確に測定できないことがあるので注意。 婦人体温計を口に咥える際は、舌下のやや奥中央についている膜(舌小帯)の左右どちらかに当てて固定し、グラグラ動かないようにする。 最低でも4時間程度以上の睡眠の後でないと、起きている間の活動による体温変動の影響が残っていて、正確な数値が出ない。人間の体温は一日のうちの時間帯によっても自然の上下があるので、できれば毎日同じ時間帯に測定して比較するのが望ましいが、徹夜で起きている最中に測るのは無意味であり、夜勤などがある人は、朝にこだわらず まとまった睡眠の後に計測すること。 もし毎日、起床直後に体温を測定することができない場合には、代替として就寝前に安静な状態で測定する方法もある。その場合、30分前後安静な状態を保つのが望ましい。 普段と起床時間帯が異なったり、風邪等の体調要因で体温に影響を与えていると思われる日は、備考欄にその旨のメモを残す。測り忘れた日は、そのままグラフを1マスとばす。あまり日々の動きの細部にとらわれず、グラフ全体としての傾向を見ること。 データの読解始めて間もないうちは測定方法の不慣れなどから数値が安定しないことも多く、低温期・高温期の見極めが出来るようになるには、2~3周期続けてからでないと難しい場合が多い。 低温期・高温期はその周期内の相対的な落差から判断するものであり、思いつきで一日や二日測ってみただけの絶対値からは分からない。高温期に入ったと言える温度は各人で異なり、また季節によっても多少の変動は見られるので、基礎体温ノートで36.70℃に赤線が描かれていたりするのは目安に過ぎない。起きている時に脇の下で測る通常の体温とは基準が異なるので、その平熱と比較して高い・低いを云々するのは無意味である。 黄体ホルモン剤やピル(卵胞ホルモン・黄体ホルモン混合剤)の服用時には、排卵後でなくても高温相が現れたり、グラフがガタガタになったりして、有用な情報は得られない。黄体ホルモン剤による影響の基礎体温への現れ方は、自身が分泌している天然の黄体ホルモンと同様になるとは限らず、基礎体温から薬効の有無やすり抜け排卵を確かめる当てにはならない。
※この「測定・利用にあたっての注意」の解説は、「基礎体温」の解説の一部です。
「測定・利用にあたっての注意」を含む「基礎体温」の記事については、「基礎体温」の概要を参照ください。
- 測定・利用にあたっての注意のページへのリンク